有料職業紹介事業の許可要件|資産・事務所・責任者を解説
有料職業紹介事業の許可要件を正しく理解したい方へ。本記事では、有料職業紹介事業の許可要件を資産・事務所・職業紹介責任者の3つの柱から解説します。基準資産額500万円以上、現金・預金150万円以上などの具体的な基準と、申請に必要な書類・手続きの流れをまとめました。
有料職業紹介事業許可要件を正しく理解する
有料職業紹介事業許可要件の3つの柱(資産要件・事務所要件・責任者要件)の具体的な基準、申請に必要な書類一覧、手続きの流れと期間、よくある質問への回答を解説します。
有料職業紹介事業許可要件の3つの柱
要件1: 資産要件
| 項目 | 基準額 | 計算方法 |
|---|---|---|
| 基準資産額 | 500万円以上 | 総資産額 − 総負債額 |
| 現金・預金 | 150万円以上 | 事業資金として確保 |
| 複数事業所の場合 | 事業所数×上記金額 | 各事業所分が個別に必要 |
含まれません。金融機関からの借入金は「負債」として計上されるため、基準資産額の計算時に差し引かれます。500万円の融資を受けても、資産要件はクリアできません。自己資金での確保が必要です。
要件2: 事務所要件
有料職業紹介事業の事務所には、以下の条件が求められます。
- 固定されたオフィス: バーチャルオフィスやコワーキングスペースは原則不可
- 面談スペース: 求職者のプライバシーに配慮した個室またはパーティション区切りの空間(求職者の集め方については「求職者送客サービスとは?」も参考になります)
- プライバシー保護: 求職者と求人者が同室にならない措置
- 個人情報管理: 鍵付きの書庫やキャビネットを設置
- 固定電話: 連絡安定のため実務上は設置が推奨されます(法令上の必須要件ではありません)
以前は「事務所面積20㎡以上」の基準がありましたが、現在はこの要件は撤廃されています。個室の面談スペースとプライバシー保護の措置があれば、小規模なオフィスでも許可取得は可能です。
要件3: 職業紹介責任者
配置基準
事業所ごとに1名以上の職業紹介責任者を配置する必要があります。
経験要件
成人後3年以上の職業経験が必要です(人材業界での経験でなくても可)。
講習受講
5年以内に厚生労働省指定の「職業紹介責任者講習」(1日)を受講し、修了証明書を取得する必要があります。受講料は8,800〜12,500円程度です。
申請に必要な書類
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 有料職業紹介事業許可申請書 | 所定の様式に記入 |
| 事業計画書 | 事業の概要、見込み取扱件数等 |
| 事務所の図面 | 面談スペースの配置がわかるもの |
| 賃貸借契約書の写し | 事務所の所在確認 |
| 預金残高証明書 | 資産要件の証明 |
| 法人登記簿謄本 | 法人の場合 |
| 定款の写し | 事業目的に「職業紹介事業」を含む |
| 役員の住民票・履歴書 | 全役員分 |
| 責任者講習の修了証明書 | 5年以内のもの |
| 個人情報管理規程 | 適正管理措置の書面 |
申請手続きの流れ
事前相談(任意)
管轄の労働局に事前相談を行い、要件の確認や不明点を解消します。特に事務所要件は事前に確認しておくと安心です。
書類準備・提出
必要書類を揃え、事業所所在地を管轄する都道府県の労働局に提出します。提出先はハローワークではなく労働局です。
審査・実地調査
書類審査に加え、事務所の実地調査が行われます。面談スペースのプライバシー保護措置や個人情報管理体制が確認されます。
許可取得(申請から2〜3ヶ月)
審査通過後、厚生労働大臣名で許可証が交付されます。許可の有効期間は新規3年、更新後5年です。開業までの全体像を把握したい方は「[人材紹介会社の開業手順ガイド](/media/article006)」もあわせてご覧ください。
有料職業紹介事業を行おうとする者は、厚生労働大臣の許可を受けなければなりません(職業安定法第30条)。許可を受けずに事業を行った場合は罰則の対象となります。
申請にかかる費用
| 費用項目 | 金額 |
|---|---|
| 登録免許税 | 90,000円 |
| 収入印紙 | 50,000円(1事業所の場合) |
| 追加事業所 | 1事業所につき18,000円 |
| 責任者講習 | 8,800〜12,500円 |
| 合計(1事業所) | 約15万円 |
社会保険労務士に申請代行を依頼する場合は、別途15〜20万円程度(依頼先により異なる)の費用がかかります。なお、許可取得後の紹介手数料の設定については「人材紹介の手数料相場」で詳しく解説しています。
よくある質問
はい、個人事業主でも同じ要件を満たせば許可取得は可能です。ただし、法人と比較して取引先からの信用面で不利になる場合があります。
条件付きで可能です。生活空間と事業スペースが明確に区分されており、面談用の個室とプライバシー保護措置が確保できていれば、自宅での許可取得も認められるケースがあります。事前に管轄労働局に相談しましょう。
有料職業紹介事業の許可要件に関するよくある質問(FAQ)
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まとめ
許可の3要件(資産・事務所・責任者)は、資産500万円以上・固定オフィス・職業紹介責任者の3つが柱です。
- 資産: 自己資金で500万円以上を確保(融資は不可)
- 事務所: 面談個室+プライバシー保護+鍵付き書庫
- 責任者: 3年以上の職業経験+講習受講
開業の全体像は「人材紹介会社の開業手順ガイド」、費用面は「人材紹介の起業費用はいくら?内訳から資金調達、コスト削減のコツまで解説」もご覧ください。有料職業紹介事業の許可取得後の更新手続きについては人材紹介の免許更新手続き|必要書類・費用・スケジュールを解説で解説しています。許可申請時の事業計画書の書き方は【テンプレート付】人材紹介の事業計画書|許可申請・融資に必須の項目と書き方も参考になります。



