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人材紹介の起業費用は600万〜|内訳・資金調達・5つの削減策

公開日 更新日 10分
人材紹介の起業費用は600万〜|内訳・資金調達・5つの削減策

人材紹介の起業費用は「最低600万円から」といわれます。ただし、そのうち500万円は許可の審査で確認される資産の条件で、支払って消えるお金ではありません。開業時に支払う費用、許可上の資産要件、入金までの運転資金を分けて、600万円の中身と費用を抑える5つの方法、融資・補助金の使い分けを整理しました。集客費の費用対効果の見方と、L reach編集部が取材で聞いた失敗事例も紹介します。

この記事の結論
  • 最低ラインの目安は約600万円〜(1事業所)。基準資産500万円を申請時点で満たし、許可前に払う費用約100万円も賄える額
  • 基準資産の500万円は支払う費用ではない。申請時点の純資産で判定され、許可後は事業資金として使える(更新時は350万円×事業所数が必要)
  • 1年目に差がつきやすいのは集客費。月額固定の媒体か、面談・成果ごとの課金かで、売上が立つ前の支出が変わる
出典: 厚生労働省の許可申請資料・L reach編集部の取材

法定費用と許可の資産要件は厚生労働省の資料に基づきます。そのほかの金額は、L reach編集部が人材紹介会社への取材で聞いた目安です。統計ではないため、地域・規模・契約条件によって変わります。見積もりを比べるときの参考値としてお使いください。

人材紹介起業費用の内訳

起業時に必要なお金は、性質の違う3つに分けると計画が立てやすくなります。①開業時に支払って出ていく費用、②許可の審査で確認される資産の条件、③売上が入金されるまでの運転資金です。①と③は使うお金ですが、②は申請の時点で持っている財産の条件で、どこかに支払うものではありません。

①開業時に支払う費用

項目 金額の目安 備考
登録免許税 9万円 法定。許可の申請時に1回
収入印紙(許可の手数料) 5万円 法定。1事業所の場合。2事業所目から1事業所につき1.8万円を加算
職業紹介責任者講習 約1万円 1名分。実施団体により異なる
社労士への申請代行 1520万円 自分で申請するなら不要
法人設立 1025万円 合同会社で約10万円、株式会社で約25万円。個人事業なら0円
事務所の敷金・礼金・保証金 50200万円 賃料の3〜10か月分。レンタルオフィスなら抑えやすい
オフィス家具・設備 2050万円 レンタル品で圧縮できる
集客費(最初の3か月分) 0〜150万円 着座課金型は初期費用0円でも、面談ごとに費用がかかる

登録免許税と収入印紙は厚生労働省の許可申請資料によります。そのほかは編集部が取材で聞いた目安です(2026年5月時点)。

②許可の審査で確認される資産の条件

要件 1事業所の場合 事業所が複数の場合
基準資産額(資産−負債−繰延資産・営業権) 500万円以上 500万円×事業所数
自己名義の現金・預貯金 150万円以上 150万円+60万円×(事業所数−1)
更新時の基準資産額(新規許可の3年後) 350万円以上 350万円×事業所数

出典:厚生労働省の許可申請資料大阪労働局「有料職業紹介事業の許可」

基準資産額は、決算書の資産から負債を引き、さらに繰延資産(創立費・開業費など)と営業権(のれん)を除いて計算するため、資本金の額とずれることがあります。現預金の150万円も基準資産に含まれる資産の一部で、500万円に上乗せする額ではありません。業務運営要領では、この現預金を事業開始後3か月程度の運営をまかなう資金と位置づけています。どちらの要件も許可の申請時(更新時は更新の申請時)に満たしていれば足り、供託や口座の凍結は求められていません。更新時は現預金の要件がなくなり、基準資産額350万円×事業所数が条件になります。

③売上が入金されるまでの運転資金

項目 金額の目安 考え方
家賃・通信費・ツール費 月額×入金までの月数 レンタルオフィスなら家賃は月1020万円程度
人件費(CAを雇う場合) 月額×入金までの月数 採用する人数と時期で変わる
合計の目安 100200万円 3〜6か月分の固定費

編集部が取材で聞いた目安です。一人開業の場合、本人の生活費は含めていません。

運転資金が必要になるのは、売上が立つ月と入金される月のあいだに時間差があるためです。何か月分を見込むかの考え方は、下の「5. 運転資金」で説明します。

「600万円〜」の内訳|二重に数えない考え方

区分 金額 600万円への入れ方
②基準資産額 500万円 申請時点で満たす。現預金150万円はこの中に含まれる
①許可前に払う費用 100万円 法定費用14万円+講習1万円+合同会社の設立10万円+事務所の初期費用50万円+家具・設備20万円95万円
合計 600万円 申請時点で用意しておきたい自己資金の目安

1事業所・最小構成での編集部の試算です。社労士への代行(15〜20万円)や最初の集客費を足すと、その分だけ増えます。

基準資産は申請時点の貸借対照表で判定され、設立したばかりの法人は設立時の貸借対照表を使います。資本金を500万円ちょうどにすると、設立費用などを会社の資金から払った分や、繰延資産に計上した創立費が差し引かれ、500万円を下回ることがあります。許可前に払う費用の分を上乗せして用意する、というのが「600万円〜」の考え方です。

③の運転資金は、600万円には別に足していません。基準資産の500万円は、許可後に家賃や集客費として使えるお金だからです。ただし、使った分だけ純資産は減ります。赤字が続いて3年後の更新時に350万円を下回れば、増資などが必要です。初回入金までの資金に余裕を持たせたい場合は、上の表の中〜上限の金額で見込み、6か月分の運転資金も加えた900〜1,200万円程度が一般的な構成の目安になります。

規模別:1年目の支出の目安(参考値)

規模 1年目の支出合計 内訳のポイント
一人開業(フルリモート) 500700万円 レンタルオフィス+成果報酬型集客
2〜3名スタート 9001,500万円 小規模オフィス+一部広告投下
5名以上の本格スタート 2,0003,500万円 通常オフィス+スカウト媒体導入

編集部が取材で聞いた目安です。1年間に出ていく費用の合計で、途中から入る売上で賄う分も含みます。支払うお金ではない基準資産は含みません。

起業費用5項目の詳細内訳|許認可・法人設立・オフィス・集客・運転資金

1. 許認可費用(約30万円)

1

登録免許税: 9万円

国に納める税金です。許可の申請時に1回だけ納め、領収証書を申請書に添付します。

2

収入印紙: 5万円(1事業所)

申請書に貼る手数料で、事業所が増える場合は1事業所につき18,000円が加わります。消印された後は、不許可になっても返還されません。

3

社労士への代行費用: 15〜20万円

許可申請の書類作成・提出の代行は社会保険労務士の業務です。自分で申請することもできますが、書類の不備で補正が続くと許可が遅れるため、専門家に任せるのも選択肢です。

許可の要件は有料職業紹介事業の許可要件まとめ、申請や融資に使う事業計画は【テンプレート付】人材紹介の事業計画書で詳しく扱っています。

出典: 厚生労働省の許可申請資料登録免許税・収入印紙の額と、申請から許可までの流れ(おおむね2〜3か月)は厚生労働省の許可申請資料(PDF)で確認できます。

2. 法人設立費用(10〜25万円)

法人形態 設立費用 特徴
株式会社 25万円 信用力が高い。取引先からの信頼を得やすい
合同会社 10万円 設立費用が安い。意思決定が速い
個人事業主 0円 最も費用が低い。許可後に法人化すると許可の取り直しが必要

個人事業でも、有料職業紹介事業の許可は受けられます。資産の要件(基準資産額500万円以上・現預金150万円以上)は法人と同じです。個人の場合は、青色申告の貸借対照表や預貯金の残高証明書などで資産を示し、負債を差し引いた額で判定されます。

注意したいのは、あとで法人化するときです。許可を受けた個人事業主が法人になる場合は、法人として新規の許可申請が必要になり、登録免許税などの法定費用もあらためてかかります。数年のうちに法人化するつもりなら、最初から法人で申請するほうが手間も費用も抑えられます。

3. オフィス費用(50〜250万円)

事務所の初期費用はエリアや規模によって大きく異なります。

オフィス費用を抑えるコツ

立ち上げ期は小規模なレンタルオフィスが候補になります。事務所は広さ(20㎡)が必須の条件ではなくなり、個室やパーティション、予約制などでプライバシーを守って求職者に対応できるかが確認されます。条件のそろうレンタルオフィスなら、月額10〜20万円程度で許可要件を満たせるケースがあります。契約の前に、管轄の労働局へ使える物件かどうかを確認しておくと安心です。

4. 集客費用(月0〜50万円)

立ち上げ期の集客にかかる費用です。

→ 表は横にスクロールできます

集客手段 月額費用 初期費用 CPA目安 開業時の推奨度
送客サービス(着座課金型) 面談ごとの費用のみ 0円 1.5万3.5万円/面談 ★★★
SNS広告 5〜50万円 0円 1〜3万円/登録 ★★
スカウト媒体 30100万円 0円〜 1〜3万円/面談
SEO/オウンドメディア 5〜30万円 0〜50万円 長期低減
リファラル 0〜数千円 0円 数千円/案件 ★★

編集部が取材と各社の公開情報から整理した目安です(2026年5月時点)。CPA(1件あたりの獲得費用)は職種・エリアによって変わります。

「立ち上げ期の集客は、初期費用ゼロの着座課金型送客サービスが最もリスクが低い選択肢のひとつです。面談が実施されるまで費用が発生しないため、限られた開業資金を圧迫しません。」

送客サービスの仕組みは求職者送客サービスとは?、そのほかの集客手法は人材紹介会社の集客方法7選、立ち上げ期の進め方は人材紹介の立ち上げ集客で解説しています。

5. 運転資金(初回入金までの固定費)

運転資金は、許可が出て売上が入金されるまで、家賃・人件費・通信費などの固定費を払い続けるためのお金です。見積もるときは「最初の入金が何か月目になるか」から逆算します。

  1. 申請から許可まで:おおむね2〜3か月(職業紹介責任者講習や書類の準備を含めると3〜4か月)
  2. 許可後、面談から内定・入社まで:求職者の転職時期や選考の長さで変わる
  3. 入社後の請求から入金まで:求人企業との契約で決めた支払期日による

この3つを足した月数分の固定費が、運転資金の目安です。ここでは3〜6か月分として100〜200万円を置いています。一人開業なら、本人の生活費も事業の資金とは分けて確保しておきます。

CPA→面談単価→決定単価で逆算する|開業1年目の集客投資の最小ライン

「起業費用」は支出として眺めるだけでは判断できません。CPA・面談単価・決定単価まで分解し、自社の事業計画と突き合わせて初めて、必要な集客投資の最小ラインが見えてきます。

計算式|面談単価と決定単価

登録CPA = 集客費 ÷ 登録者数
面談単価(着座CPA) = 集客費 ÷ 面談数 = 登録CPA ÷ 面談化率
決定単価(成約CPA) = 集客費 ÷ 成約数 = 面談単価 ÷ 成約率

ここでの決定単価は、成約1件を得るためにかかった集客費で、紹介会社が払う側の費用です。求人企業から受け取る紹介手数料とは別のものなので、収支を見るときは分けて扱います。

モデルケース|開業1年目の収支シミュレーション

項目 数値 備考
月間目標成約数 2件 開業半年〜1年目に置く目標(実績ではない)
想定成約率(面談→成約) 12% 編集部が取材で聞く8〜15%の中間に置いた前提
必要面談数 17件/月 2件 ÷ 12%16.7件
想定面談化率(登録→面談) 50% 自社で集客する場合の前提
必要登録者数 34件/月 17件 ÷ 50%
想定面談単価 3万円/件 着座課金型の公表単価(1.5万3.5万円)の範囲で置いた前提
月間集客投資の最小ライン 51万円 17件 × 3万円
平均年収 450万円 一般職種を想定
想定手数料率 32% 前提。実際は届け出た手数料表と契約で決まる
月間売上 288万円 2件 × 144万円(入社月に計上)
月間粗利(売上 − 集客費) 237万円 家賃・人件費などの固定費を引く前

L reach編集部の試算です(2026年5月時点のモデル)。件数・率・単価はすべて前提で、実績値ではありません。

ROI(試算) = 月間粗利 ÷ 月間集客費 = 237万円 ÷ 51万円 ≒ 4.6倍

この試算の売上は、入社が決まった月に計上する前提です。実際の入金は請求後、契約で決めた支払期日になります。早期退職で返金が発生することもあるため、上の粗利がそのまま手元に残るわけではありません。開業直後は、面談を始めてから最初の入金まで数か月空く前提で資金繰りを組みます。売上の組み立ては人材紹介の売上シミュレーション、CPAの下げ方は人材紹介のCPA削減7選で解説しています。

開業資金を抑える5つのコツ

コツ1: 合同会社で設立する

株式会社の設立費用は約25万円ですが、合同会社なら約10万円で済みます。取引先との関係上、株式会社が必要でなければ合同会社で十分です。個人事業で始める方法もありますが、あとで法人化すると許可を取り直すことになります。

コツ2: 小規模レンタルオフィスを活用する

面談個室+プライバシー保護が確保できるレンタルオフィスなら、通常のオフィスより大幅にコストを抑えられます。

コツ3: 集客は成果報酬型から始める

立ち上げ期は、月額の高いスカウト媒体を避け、面談や成果が出たときだけ費用がかかる送客サービスから始めると、売上が立つ前の固定費を抑えられます。着座課金型の具体例は求職者送客サービスの仕組みと料金にまとめています。

コツ4: 融資と補助金を使い分ける

  • 融資:日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」など。設備資金・運転資金に使えますが、借りたお金は負債になるため基準資産額は増えません
  • 補助金:中小企業庁の「小規模事業者持続化補助金」など。採択の審査があり、事業を実施して報告した後に支払われる後払いが基本です
  • 自治体の創業支援制度:地域によって内容が異なります

基準資産の500万円は自己資金や出資で満たし、融資は許可前後の費用や運転資金に充てる、という分け方が基本です。制度名・要件は年度によって変わるため、最新の内容は各機関の公式情報で確認してください。

出典: 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」創業融資(新規開業・スタートアップ支援資金)の対象・使いみち・融資限度額は日本政策金融公庫のページで確認できます。
出典: 中小企業庁「小規模企業支援」小規模事業者持続化補助金など、小規模事業者向けの支援策は中小企業庁の小規模企業支援のページで確認できます。

コツ5: ランニングコストを最小化する

CRMやATS(応募者管理システム)は無料または安価なツールから始め、事業が軌道に乗ってから有料版に移行する段階的な進め方がおすすめです。ツールの比較は人材紹介CRMツール比較14選、導入の手順は人材紹介CRMの導入ガイドを参照してください。

人材紹介の起業費用を比較する際の落とし穴

ホワイトカラー職種の人材紹介市場は、2024年度に4,490億円(前年度比12.0%増、矢野経済研究所)まで伸びました。事業報告を提出した有料職業紹介事業所は30,561あります(厚生労働省・令和6年度速報)。競合が多いぶん、費用計画の甘さは資金繰りに直結します。

「起業費用」を概算するとき、表面の数字だけで判断すると後で大きく狂うことがあります。L reach編集部が取材でよく聞く3つの落とし穴を紹介します。

落とし穴1:基準資産額500万円を「支払う費用」や「使えないお金」と取り違える

基準資産額500万円は、許可の申請時点で確認される純資産の条件です。登録免許税のように支払うものではなく、供託したり口座に凍結したりするお金でもありません。業務運営要領でも、基準資産は常に保つ必要はなく、新規の申請時と更新の申請時に満たせばよいとされています。

気をつけたいのは、使えば純資産が減る点です。3年後の更新時には基準資産額350万円×事業所数が必要で、赤字が続いて下回ると、増資などをしない限り更新できません。更新の手続きは人材紹介の免許更新手続きで解説しています。

落とし穴2:集客費を「広告費だけ」で計算してしまう

集客には広告費以外に「CAの稼働時間(人件費)」「ツール利用料」「日程調整工数」などが含まれます。たとえばスカウト媒体に月50万円を払い、CA1人がスカウト送信に月100時間を使う場合、時給3,000円で換算すると人件費は30万円です。実質の集客費は月80万円になります(計算例)。

落とし穴3:固定費を低く見積もりすぎる

「レンタルオフィス10万円+通信費2万円」と固定費を最小限で見積もると、面談が重なった時期に面談室が足りない、求職者の信頼を得にくいといった問題が出ます。固定費は実際に必要な席数と面談室から見積もり、運転資金は半年間売上がなくても払える額を目安にしておくと、立ち上がりが遅れても慌てずに済みます。

人材紹介の起業費用と他選択肢との違い|手段別の比較表

人材紹介事業を始める際、「自社で全て構築する/既存サービスを併用する/フランチャイズに加盟する」など複数の選択肢があります。L reachは集客領域の1選択肢として位置づけられます。

→ 表は横にスクロールできます

開業形態 1年目の支出の目安 月間ランニング 集客手段 リスク水準
一人開業(フルリモート) 500700万円 3050万円 成果報酬型送客+リファラル
小規模スタート(2〜3名) 9001,500万円 80150万円 送客+一部スカウト
本格スタート(5名以上) 2,0003,500万円 300500万円 スカウト+送客+広告 中〜高
フランチャイズ加盟 加盟金100500万円+上記 ロイヤルティあり 本部依存

編集部が取材で聞いた目安です(2026年5月時点)。基準資産は含みません。フランチャイズの条件は本部により大きく異なります。

L reach編集部 取材:失敗事例3選

L reach編集部が取材で聞いた事例を、会社が特定されないよう匿名化して紹介します。より多くの失敗の型は独立失敗パターン10選と回避策にまとめています。

事例1:基準資産額の誤解で許可取得が遅延(地方エージェント・1名開業)

「500万円の融資を受けたから資産要件はクリア」と考えていたものの、融資は負債に計上されるため純資産は増えないと分かりました。自己資金を用意し直すまでに許可取得が3か月遅れ、その間の集客機会を逃しています。

学び

基準資産額500万円は、自己資金(法人なら資本金など)や出資で満たす必要があります。融資で現預金は増えても、同じ額の負債も増えるため基準資産額は変わりません。資金計画は「基準資産を満たす自己資金」と「費用や運転資金に充てる融資」に分けて立てます。

事例2:高額スカウト媒体に投資して資金枯渇(都内・3名スタート)

開業直後にスカウト媒体(月額80万円)と求人DB(月額40万円)に同時に投資しました。返信率が想定の半分以下で、月10件の面談も獲得できず、6か月で資金が底をついています。

学び

立ち上げ期はリスクの低い成果報酬型の集客(送客サービス・リファラル)から始め、面談数が安定してからスカウト媒体を段階的に足していくほうが、資金は長く持ちます。

事例3:オフィス賃料を高く設定して固定費圧迫(IT特化・5名スタート)

「クライアント企業からの信頼獲得」のため、都心の一等地に月額60万円のオフィスを契約しました。しかし面談はほぼオンラインで行われ、オフィスの利用率は20%ほど。固定費が経営を圧迫し、1年後に郊外へ移転しています。

学び

求職者との面談をオンライン中心で行うなら、広いオフィスは使い切れないことがあります。立ち上げ期は面談個室のあるレンタルオフィスを選び、事業の規模に合わせて固定費を増やせる形にしておくと安心です。

人材紹介の起業費用に関するよくある質問(FAQ)

Q
自己資金はいくら必要ですか?
A
1事業所で開業するなら、申請時点で基準資産額500万円以上(うち現預金150万円以上)を満たすことが条件です。許可前に払う費用(約100万円)を含めた最低ラインが約600万円、初回入金までの運転資金に余裕を持たせるなら900〜1,200万円程度が目安です。CAを雇って始める場合は、その人件費の分だけ運転資金を上乗せします。
Q
赤字になりやすいポイントは何ですか?
A
立ち上げ期の広告費の使い過ぎと、面談数が安定するまでの期間の運転資金不足が主な原因です。初期費用のかからない送客サービスなどで、売上が立つ前の固定費を抑える方法があります。L reach編集部の取材では、開業1年目に黒字化できたエージェントの共通点として「固定費を抑え、集客費を変動費(成果報酬型)に寄せていた」という声が聞かれました。
Q
融資は許可取得の資産要件に含まれますか?
A
基準資産額には含まれません。融資で現預金が増えても同じ額の負債が増えるため、資産から負債を引いた基準資産額は変わらないからです。基準資産は自己資金(法人なら資本金など)や出資で満たし、融資は許可前後の費用や運転資金に充てるのが基本です。日本政策金融公庫の創業融資も、この区別を前提に検討します。
Q
個人事業主でも人材紹介事業はできますか?
A
できます。個人事業主でも有料職業紹介事業の許可を受けられ、資産の要件(基準資産額500万円以上・現預金150万円以上)は法人と同じです。個人の場合は、青色申告の貸借対照表や預貯金の残高証明書などで資産を示し、負債を差し引いた額で判定されます。ただし、許可を受けた後に法人化すると、法人として新規の許可申請が必要です。数年のうちに法人化する予定なら、最初から法人で申請するほうが法定費用を二度払わずに済みます。
Q
副業として人材紹介事業を始めることはできますか?
A
法的には可能ですが、許可の取得、基準資産額の確保、職業紹介責任者の配置などの要件は本業と同じように求められます。詳細は人材紹介の副業の始め方をご覧ください。
Q
開業1年目の年収はどのくらいが目安ですか?
A
年商(売上)と年収(本人の所得)は分けて考えます。売上から集客費・家賃などの経費を引いた事業利益が、個人事業なら本人の所得、法人なら役員報酬の原資になります。1年目は申請から許可までにおおむね2〜3か月かかり、面談から入社・入金までにも時間差があるため、売上が立つ月は限られます。本記事の試算(1件144万円・月2件)が続けば売上は月288万円ですが、手元に残るのは集客費と固定費を払い、返金の可能性も見込んだ後の金額です。収入の考え方は人材紹介の年収は稼げる?、業界による差は業界別の独立年収レンジ比較で扱っています。
Q
補助金・助成金は申請すべきですか?
A
補助金は採択の審査があり、事業を実施した後に支払われる後払いが基本のため、開業資金の前提にはしないほうが安全です。創業期に使われる制度には、中小企業庁の「小規模事業者持続化補助金」などがあります。日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」は補助金ではなく融資で、返済が必要です。最新の制度は各機関の公式情報で確認してください。
費用対効果を見直したい会社様へ

起業費用の試算、面談単価と決定単価まで落とし込めていますか?

現在の集客費・面談数・成約数をもとに、面談1件と成約1件あたりの費用をL reachが試算します。

相談前に整理できること

  • CPAではなく面談単価で判断
  • 決定単価まで逆算
  • 広告費との併用可否を確認

まとめ|起業費用は「最小構成+変動費型集客」で立ち上げリスクを最小化

人材紹介の起業費用は、1事業所で最低約600万円が目安です。このうち500万円は申請時点で満たす基準資産の条件で、支払うお金ではありません。

  • 許認可 — 約30万円(自己申請なら約15万円)
  • 法人設立 — 10〜25万円(個人事業なら0円。法人化の予定があれば最初から法人で)
  • オフィス — 50〜250万円(レンタルオフィスで圧縮可能)
  • 集客 — 着座課金型なら初期費用0円(面談ごとに費用が発生)
  • 基準資産 — 申請時点で500万円×事業所数(更新時は350万円×事業所数)
  • 運転資金 — 初回入金までの月数分の固定費(3〜6か月分が目安)

開業の全体手順は人材紹介会社の開業手順ガイド、許可要件の詳細は有料職業紹介事業の許可要件ガイド、立ち上げ期の集客は人材紹介の立ち上げ集客ガイド、一人開業の戦略は人材紹介の独立・一人開業にまとめています。事業計画書は人材紹介の事業計画書テンプレート、法人の稟議用のコスト一覧は有料職業紹介の免許取得【稟議用】が参考になります。関連記事の一覧は人材紹介の開業・立ち上げガイドにあります。

外部データソース

L

L reach編集部

人材紹介事業ナレッジ編集チーム

foresma株式会社が運営する求職者送客サービス『L reach』編集部。人材紹介会社の支援実績をもとに、集客・CV・運用ノウハウを発信しています。

集客の費用対効果は、面談単価と成約率、紹介手数料の組み合わせで大きく変わります。自社の数字で確かめたいときはご相談ください。

初期費用・月額費用なし/契約期間の縛りなし