人材紹介の免許更新で、いつまでに何を出せばよいか迷っていませんか。有料職業紹介事業の許可は、初回は許可から3年、2回目以降は5年ごとに更新が必要です。申請は有効期間満了日の3か月前までに、管轄の労働局へ行います。更新手続きの流れ、必要書類、費用、よくあるミスを順に整理しました。
この記事の結論 有料職業紹介事業の許可の更新は、初回が3年後、2回目以降は5年ごとです。更新申請は有効期間満了日の3か月前までに、本社を管轄する労働局へ提出します。講習の受講や書類の準備に1〜2か月かかるため、満了日の5か月前には準備を始めると安心です。
人材紹介の免許更新制度|基本を理解する
有料職業紹介事業の許可には有効期間があり、事業を続けるには期間が切れる前に更新が必要です。
更新のサイクル
→ 表は横にスクロールできます
| 更新回数 | 有効期間 | 申請期限 | 準備開始の目安 |
|---|---|---|---|
| 初回更新 | 新規許可から3年間 | 満了日の3か月前まで | 満了日の5か月前 |
| 2回目以降 | 前回更新から5年間 | 満了日の3か月前まで | 満了日の5か月前 |
申請期限は2017年10月の見直しで「満了の30日前まで」から「3か月前まで」に早まりました。古い資料にある「30日前」は現在の期限ではありません。出典:厚生労働省「職業紹介事業の許可更新の申請期限が早まります」
重要: 更新申請をしないまま有効期間が満了すると、許可は失効します。失効後に事業を続けると無許可営業となり、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象です(職業安定法第32条の6・第64条。2025年6月から懲役は拘禁刑に改められています)。
更新と新規許可の違い
更新は新規許可と比べて資産の基準が下がり、現預金の要件がなくなります。一方で、職業紹介責任者講習の期限の数え方は新規と違うので注意が必要です。新規許可の要件は有料職業紹介事業の許可要件|資産500万・事務所要件・初期投資の全解説で解説しています。
| 項目 | 新規許可 | 更新 |
|---|---|---|
| 資産要件 | 基準資産額500万円×事業所数以上、現預金150万円+60万円×(事業所数−1)以上 | 基準資産額350万円×事業所数以上(現預金の要件はなし) |
| 基準資産額の計算 | 資産(繰延資産・営業権を除く)−負債 | 同じ |
| 事務所要件 | プライバシーを確保できる構造(旧20㎡基準は撤廃済み) | 同じ |
| 職業紹介責任者講習 | 申請の受理日前5年以内に修了 | 有効期間の満了日前5年以内に修了 |
| 労働局の確認 | 書類と実地調査などで確認 | 更新書類と実地調査などで確認 |
| 手数料と期限 | 登録免許税9万円+収入印紙5万円(1事業所)。申請から許可までおおむね2〜3か月 | 収入印紙1.8万円×事業所数。満了日の3か月前までに申請 |
更新の基準は新規の許可基準を読み替えたもので、基準資産額の「500万円」を「350万円」とし、現預金の基準は適用しません(厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領」)。
講習の日程・受講料は公益社団法人全国民営職業紹介事業協会の講習案内で確認できます。
人材紹介免許の更新手続きの流れ【5ステップ】
更新時期の確認(満了日の5か月前)
まず、許可証に記載された有効期間の満了日を確認します。満了日から逆算した申請期限(満了日の3か月前)を、社内のカレンダーに入れておきます。
確認すべき事項:
- 許可証の有効期間満了日と、3か月前の申請期限
- 職業紹介責任者講習の修了日(有効期間の満了日前5年以内か)
- 事業所の変更(移転・増設など)と、その変更届を出したか
- 役員の変更と、その変更届を出したか
- 毎年の事業報告書(4月30日期限)を出しているか
職業紹介責任者講習の受講(必要な場合)
更新では、有効期間の満了日前5年以内に講習を修了している必要があります。基準は申請日ではなく満了日です。初回更新なら、許可日の2年以上前に修了した講習は満了日の時点で5年を超えます。5年ごとの更新でも、前回の更新前に受けた講習は次の満了日には5年を超えるため、更新のたびに修了日を確かめます。
- 受講料: 公益社団法人全国民営職業紹介事業協会の場合、一般12,500円・会員8,800円(税込)
- 実施機関: 全国民営職業紹介事業協会など、厚生労働大臣が定める講習の実施機関
- 所要時間: 1日(同協会の場合は9時30分〜17時。集合型とオンラインがある)
- 注意: 日程によっては早く満席になるため、受講が必要なら早めに予約する
講習の受講証明書(写し)は、更新申請の添付書類です。
必要書類の準備(満了日の4〜5か月前)
更新申請に必要な書類を一式準備します。税務署で取る納税証明書などもあるため、1か月程度の準備期間を見込みます。変更届や事業報告書に出し忘れがあれば、更新申請の前に提出します。
(必要書類は次のセクションの表にまとめています)
管轄労働局への申請(満了日の3か月前まで)
書類がそろったら、本社(主たる事務所)の所在地を管轄する都道府県労働局に更新申請書類を提出します。
- 提出先: 事業主(本社)を管轄する都道府県労働局。事業所が別の都道府県にあっても、本社の管轄労働局に提出する
- 期限: 有効期間満了日の3か月前まで。期限の日が閉庁日に当たる場合などの扱いは管轄の労働局に確認する
- 部数: 更新申請書と事業計画書は3部(正本1部・写し2部)、添付書類は2部(正本1部・写し1部)
- 提出方法: 窓口のほか、郵送や電子申請(e-Gov)を使える場合がある。受付方法は管轄の労働局の案内で確認する
- 収入印紙: 1万8,000円×事業所数(申請書に貼るか持参するかは労働局の指示に従う)
- 登録免許税: 更新時は不要
審査・許可証の受領(満了日まで)
申請後、労働局が更新の要件を書類などで確認します。不足や誤りがあれば、補正を求める連絡が来ます。
- 補正の連絡にすぐ対応できるよう、担当者と連絡先を決めておく
- 審査中も、有効期間内であれば現在の許可で事業を続けられる
- 更新後の許可証の受け取り方法は、労働局の案内に従う
期限の直前に提出して補正が重なると、満了日までに手続きが終わらないおそれがあります。余裕を持った提出を心がけてください。
人材紹介免許の更新申請に必要な書類一覧
更新で出す書類は、新規申請より少なくなります。毎回出す書類と、変更があった場合などに限って出す書類に分けて整理しました。
法人の場合
| 書類名 | 取得先 | 備考 |
|---|---|---|
| 職業紹介事業許可有効期間更新申請書(様式第1号) | 厚生労働省の様式 | 正本1部+写し2部 |
| 職業紹介事業計画書(様式第2号。書き方は人材紹介の事業計画書テンプレート参照) | 厚生労働省の様式 | 事業所ごとに作成。有効求職者数は直近年度の事業報告の数値を書く |
| 最近の事業年度の貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書 | 自社作成(税理士) | 基準資産額が350万円×事業所数以上かを確認される |
| 最近の事業年度の法人税の納税申告書(別表1・別表4) | 自社保管の控え | 税務署に提出したものの写し |
| 法人税の納税証明書(その2・所得金額用) | 税務署 | 原本が必要。「その1」や「その3」ではない |
| 職業紹介責任者講習の受講証明書の写し | 講習実施機関 | 有効期間の満了日前5年以内に修了したもの |
| 業務の運営に関する規程 | 自社作成 | 事業所ごと。取扱職種・手数料などの内容に応じて作る |
| 定款・登記事項証明書(履歴事項全部証明書) | 自社保管/法務局 | 変更があった場合のみ。登記事項証明書は労働局が登記情報で確認できれば省略できる |
| 役員・職業紹介責任者の住民票の写し | 市区町村役場 | これまでに提出していない場合など。本籍地の記載があり、マイナンバーの記載がないもの |
変更届や事業報告書が未提出の場合は、更新申請の前に提出が必要です。労働局から補足資料を求められることもあるため、管轄の提出一覧(例:愛知労働局「許可有効期間更新申請提出書類一覧表【法人】」)で最終確認してください。
届出制手数料届出書(様式第3号)は、手数料表を変えるときに事前に出す届出で、更新の添付書類ではありません。個人情報適正管理規程や事務所の賃貸借契約書も、更新の標準の提出一覧には入っていません。事務所の移転や増設は、その時点の変更届で手続きします。
個人事業主の場合
法人と基本的に同じですが、以下が異なります。
- 定款・登記事項証明書はなく、事業主本人の住民票の写しなどを提出
- 法人税の申告書の代わりに、最近の納税期の所得税の確定申告書(第一表)の写しを提出。青色申告なら青色申告決算書(貸借対照表・損益計算書)も使う
- 納税証明書は、所得税の「その2」(所得金額用)を提出
- 資産の確認に、預金残高証明書や不動産の登記事項証明書などを求められる場合がある
人材紹介免許の更新手続きにかかる費用
更新の費用を把握しておくと、事業を続けるための固定的なコストが見えてきます。起業費用の全体像は人材紹介の起業費用は600万〜|内訳・資金調達・5つの削減策で整理しています。
| 費用項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 収入印紙 | 18,000円×事業所数 | 更新の手数料。2事業所なら36,000円 |
| 登録免許税 | 0円 | 更新時は不要(新規許可時のみ90,000円) |
| 納税証明書(その2) | 370〜400円/通 | 法人税の1通 |
| 登記事項証明書 | 480〜600円 | 変更があり、労働局が登記情報で確認できない場合 |
| 住民票の写し | 200〜400円/通 | これまでに提出していない場合など |
| 職業紹介責任者講習 | 8,800〜12,500円 | 満了日前5年以内の修了がない場合(全国民営職業紹介事業協会の会員・一般の受講料、税込) |
| 社会保険労務士への依頼費 | 事務所により異なる | 代行を依頼する場合は見積もりで確認 |
計算例(1事業所): 収入印紙18,000円+納税証明書400円で18,400円です。住民票や登記事項証明書が必要でも2万円弱に収まります。講習を受け直す場合は受講料が加わり、約2.7万〜3.2万円です。社労士に依頼する場合は、この実費に報酬が加わります。
人材紹介免許の更新でよくあるミスと対策
ミス1: 職業紹介責任者講習の受講漏れ
よくあるのが、講習の修了日が古くなっているケースです。更新では、有効期間の満了日前5年以内に修了した講習の受講証明書が必要です。初回更新では、許可日の2年以上前に修了した講習だと、満了日の時点で5年を超えてしまいます。
対策: 許可証の満了日と講習の修了日を並べて管理し、受け直すなら満了日の5か月前までに受講を終えます。講習の日程は早く埋まることがあるため、予約は半年前を目安にします。
更新の漏れを含め、独立1〜3年目に起きやすいつまずきは人材紹介の独立失敗パターン10選と回避策にまとめています。
ミス2: 基準資産額の不足
更新時の基準資産額(資産から負債と繰延資産・営業権(のれん)を差し引いた額)が350万円×事業所数を下回ると、更新の基準を満たせません。確認に使うのは、最近の事業年度の決算書です。
対策: 更新年度の決算の前に基準資産額を試算し、足りない場合は増資(役員借入金を資本に振り替えるDESを含む)などを検討します。
決算で基準に届かなかった場合でも、増資などで基準資産額を増やしたあと、公認会計士または監査法人の監査証明を受けた中間決算・月次決算を出せば、その数字で審査してもらえます。更新に限っては、「合意された手続実施結果報告書」による中間・月次決算も認められています。決算の3か月前までに税理士・社労士へ相談しておくと、手を打ちやすくなります。
ミス3: 役員変更届の未提出
許可取得後に役員が変わった場合は、変更日の翌日から30日以内に変更届を出す必要があります。出していないと、更新の前に届出を済ませるよう求められます。
対策: 役員の就任・退任があったら、その月のうちに変更届を出します。未提出があれば、更新申請の前に届け出ます。
ミス4: 事業報告書の未提出
毎年4月30日までに出す職業紹介事業報告書は、紹介の実績がなかった年も提出が必要です。未提出の年度があると、更新申請の前に提出を求められます。
対策: 4月30日の期限を毎年の予定に入れておき、未提出の年度があれば更新申請の前にまとめて提出します。
「初回更新の際、職業紹介責任者講習の期限が切れていることに気づいたのが申請期限の2週間前でした。直近の講習がすべて満席で受講できず、結局更新期限ギリギリになってしまいました。半年前から準備を始めるべきだったと痛感しています。」
人材紹介免許の更新手続きスケジュール例
有効期間満了日が2027年9月30日の場合の例です。申請期限は3か月前の2027年6月30日になります。
| 時期 | やるべきこと |
|---|---|
| 2027年4月(5か月前) | 更新時期の確認、講習の修了日の確認と予約、変更届・事業報告書の提出状況の確認 |
| 2027年5月(4か月前) | 講習の受講(必要な場合)、直近の決算書で基準資産額を確認、納税証明書などの書類の収集 |
| 2027年6月前半 | 申請書類一式の作成・最終確認 |
| 2027年6月30日まで(3か月前) | 管轄労働局へ更新申請書類を提出 |
| 2027年7〜9月 | 審査期間。補正の連絡があればすぐに対応 |
| 満了日(9月30日)前後 | 更新後の許可証を受け取る(時期・方法は労働局の案内に従う) |
決算期によって、使う決算書の事業年度が変わります。3月決算の会社が6月に申請する場合などは、どの決算書を出すかを事前に労働局に確認してください。
L reach(エルリーチ)で人材紹介免許更新後の集客を強化
更新が済んだら、次は事業を伸ばすための集客です。L reach(エルリーチ)は初期費用・月額費用0円の着座課金型なので、更新後に面談数を増やしたいときも、固定費を増やさずに試せます。
- 初期費用・月額費用0円、着座課金1.5万〜3.5万円(税別)/着座
- 全候補者にオペレーターが15分のプレ面談を実施
- 登録者の平均年齢24.7歳、20代比率95.7%
- 重複・要件不一致・無断キャンセルは非課金
- 契約期間の縛りなし。お問い合わせから最短3営業日で開始
更新の時期は、許可の状況と一緒に集客の費用対効果を見直すよい機会です。更新後の成長投資の目安として業界別の独立年収レンジと売上推移モデルも参考になります。
人材紹介の免許更新手続きに関するよくある質問(FAQ)
免許更新のタイミングで、集客と単価設計を見直しませんか?
現在の集客費・面談数・成約数をもとに、面談1件と成約1件あたりの費用をL reachが試算します。
相談前に整理できること
- CPAではなく面談単価で判断
- 決定単価まで逆算
- 広告費との併用可否を確認
まとめ|人材紹介免許の更新手続きは5ヶ月前からの計画的な準備がカギ
有料職業紹介事業の許可は、初回は3年、2回目以降は5年ごとに更新が必要です。申請期限は有効期間満了日の3か月前までで、講習の受講や書類の準備を考えると、満了日の5か月前には着手しておくと安心です。特に「講習の修了日が満了日前5年以内か」「基準資産額が350万円×事業所数を満たすか」「事業報告書と変更届を出しているか」の3点は早めに確認してください。開業・運営に関する記事は人材紹介の開業・立ち上げガイドにまとめています。
まずは許可証の有効期間満了日を確認し、この記事のスケジュール表に沿って準備を始めてください。
□ 満了日の3か月前までに提出できる日程か/□ 職業紹介責任者講習の修了日が満了日前5年以内か/□ 基準資産額が350万円×事業所数以上か(直近決算)/□ 事業報告書(毎年4月30日期限)と変更届を出しているか/□ 納税証明書は「その2」を用意したか
更新履歴
- 2026-09-24:更新申請の期限を「満了日の3か月前まで」、更新時の基準資産を350万円×事業所数に訂正。必要書類・費用・スケジュール例を現行の提出一覧に合わせて更新
- 2026-03-10:公開
L reach編集部
人材紹介事業ナレッジ編集チームforesma株式会社が運営する求職者送客サービス『L reach』編集部。人材紹介会社の支援実績をもとに、集客・CV・運用ノウハウを発信しています。
集客の費用対効果は、面談単価と成約率、紹介手数料の組み合わせで大きく変わります。自社の数字で確かめたいときはご相談ください。
初期費用・月額費用なし/契約期間の縛りなし



