事業参入

人材紹介事業の体制設計|責任者の兼務可否・最小人員Q&A

11分
人材紹介事業の体制設計|責任者の兼務可否・最小人員Q&A

人材紹介事業へ新規参入する法人にとって、職業紹介責任者の兼務可否と最小人員の見極めは体制設計の最初の論点です。本記事では1名兼務型から RA・CA分離型までの体制パターンを比較し、少人数で事業を回すための実務をQ&A形式で整理します。

結論:人材紹介事業は、職業紹介責任者を含む少人数体制でも立ち上げ可能です。責任者は事業所ごとに選任が必要で、実務との兼務は広く行われていますが、兼務の可否・範囲の最終判断は管轄労働局への確認が確実です。少人数で回す鍵は「面談と推薦以外の業務(集客・プレ面談・日程調整)をどこまで外部化するか」にあります。

最小体制3パターン比較|1名兼務型・専任1名型・RA/CA分離型

新規参入時の体制は、概ね次の3パターンに集約されます。自社の投下可能な人員数と、既存事業との兼ね合いで選びます。

※2026年7月時点の情報。制度の詳細は必ず一次情報をご確認ください。

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項目 1名兼務型 専任1名+兼務型 RA・CA分離型
人員イメージ 責任者=RA=CAを1名が兼務 専任CA1名+責任者は管理職が兼務 RA1名+CA1名以上+責任者
想定月間面談数 少(1名の稼働に依存) 中〜多
初期人件費 最小
強み 意思決定が速い・低コスト CAが面談に集中できる 求人開拓と求職者対応が両輪で回る
弱み 集客・調整業務で面談時間が削られる 求人開拓が手薄になりがち 立ち上げ期には過剰投資になり得る
向く会社 まず小さく検証したい会社 既存事業と管理機能を共有できる会社 求人・求職者の両面を最初から攻める会社
RA・CAとは

RA(リクルーティングアドバイザー)は求人企業側の開拓・条件調整を、CA(キャリアアドバイザー)は求職者側の面談・提案を担う役割です。大手は分離型が主流ですが、新規参入では両方を1名が担う「両面型」から始め、面談数の増加に応じて分離していくのが一般的な進化パターンです。

どのパターンでも共通して必要なのが職業紹介責任者の選任です。次章で要件と兼務の考え方を整理します。

職業紹介責任者の要件と選任の基本

職業紹介責任者は事業所ごとに選任が必要で、指定機関が実施する職業紹介責任者講習(受講料の目安8,800〜12,500円)の受講が求められます。2026年4月からは講習カリキュラムが変更され、従事者への教育に関する内容が充実しました。責任者には、社内の従事者教育を主導する役割がより明確に期待されるようになったと言えます。

出典: 一般社団法人 日本人材紹介事業協会講習カリキュラム変更の詳細は日本人材紹介事業協会(https://www.jesra.or.jp/category/news/392/)、講習の実施情報は全国民営職業紹介事業協会(https://www.minshokyo.or.jp/)で確認できます。

新規事業の場合、責任者候補は「事業責任者クラスで、長期的に事業に関与し続ける人物」から選ぶのが定石です。責任者の交代には手続きが伴うため、短期で異動する可能性のある人材を形式的に立てると、後の運営で手間が増えます。要件・費用の詳細は有料職業紹介の免許取得|法人の費用・期間・要件で稟議用に整理しています。

責任者の兼務はどこまで可能か|考え方と確認のしかた

「責任者がCAやRAを兼ねてよいのか」「既存事業の管理職が責任者を兼務できるのか」は、参入企業から最も多く出る質問です。

実務上、小規模な紹介会社では責任者がCA・RA業務を兼務する形は広く行われています。責任者の本質的な役割は、求職者・求人者からの苦情対応、個人情報管理、従事者への教育など「事業運営の適正を保つ管理業務」であり、これらを適切に果たせる限り、実務との兼務自体が直ちに問題になるわけではありません。

一方で、次のようなケースは慎重な確認が必要です。

  • 他社業務との掛け持ち:他の法人の業務と兼務する場合、責任者としての職務を適切に遂行できる体制かが問われます
  • 常駐性が乏しい場合:責任者が事業所の運営実態を把握できない働き方は、選任の趣旨に照らして問題になり得ます
  • 複数事業所の掛け持ち:責任者は事業所ごとに必要であり、1名で複数拠点をカバーする構成は原則成り立ちません
断定せず、労働局に確認するのが最短ルート

兼務の可否は、勤務実態・事業所の規模・担当業務の内容によって判断が分かれる領域です。ネット上の一般論で見切り発車せず、申請前の事前相談で「この体制図で問題ないか」を管轄労働局に確認するのが、結果的に最も速く確実です。体制図・業務分担表を持参すると相談がスムーズに進みます。

新規事業の人員Q&A|既存社員の転換・業務委託・教育

Q. 既存社員をCAに転換できるか?

できます。人材業界経験は必須ではなく、実際に営業職・カスタマーサクセス・販売職からの転換は多いパターンです。特に既存事業で顧客折衝を担ってきた社員は、求職者面談・企業提案への適性が高い傾向があります。ただし、求人理解・職業紹介のルール・面談スキルの教育は必要で、立ち上げから戦力化まで一定の期間を見込むべきです。CAの生産性管理の考え方はキャリアアドバイザー生産性向上の5つの方法が参考になります。

Q. 業務委託のCAで立ち上げてよいか?

慎重な設計が必要です。業務委託者に紹介実務を担わせる場合、指揮命令・責任の所在・個人情報の取り扱いなど、雇用とは異なる論点が生じます。事業の中核業務を委託に依存する体制は、責任者による管理・教育が及びにくくなるリスクもあります。採用が間に合わない場合の現実解としては、「中核業務(面談・推薦)は自社雇用の人員が担い、周辺業務(集客・日程調整等)を外部サービス化する」切り分けが安全です。この場合も、体制の適否は管轄労働局への確認をおすすめします。

Q. 未経験チームの教育はどう設計するか?

最低限、次の3領域をカバーします。

  • 法令・ルール:職業安定法上の禁止事項、個人情報の取り扱い、手数料の明示。責任者講習の内容を責任者から従事者へ展開する形が基本です(2026年4月のカリキュラム変更でも従事者教育が重視されています)
  • 面談スキル:ヒアリング→求人提案→推薦意思の確認までの型を作り、ロールプレイで習熟させます
  • 求人開拓:RA業務のノウハウは人材紹介のRA営業のコツ7選のような実践知を教材化すると立ち上がりが速くなります

少人数で回す外部化設計|集客・プレ面談・日程調整を手放す

最小体制の成否は「1名あたりの面談時間をどれだけ確保できるか」で決まります。CAの業務を分解すると、売上に直結するのは面談・推薦・クロージングであり、その手前の集客・スクリーニング・日程調整は外部化可能な工程です。

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工程 内製した場合の負荷 外部化の手段
求職者集客 広告運用・SNS・スカウトの専任級の工数 送客サービス・広告運用代行
スクリーニング 応募者への連絡・意欲確認の反復作業 プレ面談付き送客サービス
日程調整 リスケ対応含め細切れに発生 日程調整代行・調整ツール
面談・推薦 外部化しない(売上の源泉)

例えば着座課金型送客のL reachは、集客からプレ面談(全件実施)・日程調整までを代行し、面談確定済みの求職者(平均24.7歳・20代比率95.7%)を1件あたり1.5万〜3.5万円(税別)で送客するモデルです。上表の外部化可能な3工程をまとめて外に出せるため、1名兼務型や専任1名型でも面談数を計画的に積める体制が組めます。少人数参入と相性のよい選択肢の一つとして、体制設計の段階で比較しておく価値があります。

立ち上げ期の時間軸(審査中の準備・開業後90日)と体制の関係は人材紹介の参入スケジュールで詳述しています。

体制構築の手順|4ステップ

体制設計を決裁・申請と接続するための手順を4ステップで示します。

1

投下可能な人員と工数を棚卸しする

専任にできる人数、兼務で関与できる管理職、既存事業から転換可能な候補者をリスト化します。「フルタイム換算で何人分の工数を人材紹介に使えるか」を数字にするのがゴールです。

2

体制パターンを仮決めし、責任者候補を指名する

前章の3パターンから工数に合うものを選び、責任者候補(長期関与できる事業責任者クラス)を指名。責任者講習の受講日程をこの時点で押さえます。講習日程は満席になることがあり、体制設計の隠れたボトルネックです。

3

体制図・業務分担表を作り、労働局に事前相談する

誰が責任者としての管理業務(苦情対応・個人情報管理・従事者教育)を担い、誰がCA・RA実務を担うかを1枚にまとめ、兼務の適否を含めて管轄労働局に確認します。この1枚は許可申請でも社内説明でもそのまま使えます。

4

外部化する工程を決め、開業前に契約まで終える

集客・プレ面談・日程調整のうち外部化する範囲を決め、審査期間中にサービス選定・契約を完了させます。開業後に探し始めると、立ち上げ90日の面談計画が崩れます。

体制拡大のタイミング|1名→2名→分離型への移行基準

体制は最初から完成形を目指すのではなく、数字を基準に段階的に拡大します。

  • 1名→2名:面談枠が埋まり続け、推薦・フォローが遅延し始めたら増員のサイン。売上の再現性(面談→成約の歩留まりの安定)が確認できてからが安全です
  • 両面型→RA・CA分離:求人開拓の停滞がボトルネックになった段階で分離を検討します。求人数と求職者数のバランスが崩れると、どちらかの面談が空回りします
  • 責任者の追加:事業所の新設時には、その事業所の責任者選任が必要になります。拠点展開の計画がある場合、講習受講者を早めに複数確保しておくと移行が滑らかです

よくある質問(FAQ)

Q
職業紹介責任者はCAやRAと兼務できますか?
A
小規模事業所では責任者が実務を兼務する形は広く行われており、責任者としての管理業務(苦情対応・個人情報管理・従事者教育等)を適切に果たせることが前提となります。勤務実態や体制によって判断が分かれるため、申請前に体制図を持って管轄労働局へ確認することをおすすめします。
Q
何名いれば人材紹介事業を始められますか?
A
職業紹介責任者を選任できれば、少人数でも立ち上げは可能です。ただし1名兼務型は集客・調整業務に時間を取られ面談数が伸びにくいため、周辺業務の外部化とセットで設計するのが現実的です。
Q
既存事業の管理部長を責任者にして、実務は別の社員に任せる形は可能ですか?
A
責任者が事業所の運営実態を把握し、管理業務を実際に遂行できるかがポイントです。名目だけの選任は選任の趣旨に反します。当該管理職の関与度合いを具体的に説明できる状態で、管轄労働局に事前確認してください。
Q
人材業界未経験の社員だけで立ち上げても大丈夫ですか?
A
責任者講習の受講と社内教育を前提に可能です。顧客折衝経験のある社員はCAへの適性が高い傾向があります。法令・面談スキル・求人開拓の3領域の教育プランを用意し、立ち上げ初期は面談の型づくりに集中させると早く戦力化します。
Q
面談数を増やしたいが増員の予算がありません。どうすべきですか?
A
まず外部化を検討してください。集客・スクリーニング・日程調整を外部サービスに出すだけで、既存人員の面談可能枠は大きく増えます。着座課金型送客なら面談1件単位の変動費で使えるため、固定人件費を増やさずに面談数を積み増せます。
面談数・成約率を伸ばしたい会社様へ

少人数体制のまま、面談数だけ増やす方法があります

L reachは、CAの工数を増やさずに面談数を増やすための送客サービスです。業務改善と並行して使えます。

相談前に整理できること

  • 面談数の入口を改善
  • 対応工数を削減
  • KPI改善に必要な母集団を補完

まとめ|体制は「最小で始めて、数字で拡大」が定石

  • 新規参入の体制は1名兼務型・専任1名型・RA/CA分離型の3パターン。まず小さく始めて、面談数と歩留まりの実測値で拡大を判断する
  • 職業紹介責任者は事業所ごとに選任。実務との兼務は広く行われているが、可否の最終判断は管轄労働局への事前確認が確実
  • 2026年4月の講習カリキュラム変更で従事者教育の重要性が増した。責任者を起点にした社内教育の設計をセットで
  • 少人数で回す鍵は外部化。集客・プレ面談・日程調整を外に出し、自社人員は面談と推薦に集中させる

参入全体の意思決定は人材紹介事業参入ガイド、体制と費用・スケジュールの関係はハブページ人材紹介事業への参入から関連記事をたどれます。自社の人員計画に合わせた外部化の設計は、無料相談でも具体化できます。

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L reach編集部

人材紹介事業ナレッジ編集チーム

foresma株式会社が運営する求職者送客サービス『L reach』編集部。人材紹介会社の支援実績をもとに、集客・CV・運用ノウハウを発信しています。

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