事業参入

人材紹介の参入スケジュール|申請3〜4ヶ月+立ち上げ90日の逆算表

公開日 更新日 12分
人材紹介の参入スケジュール|申請3〜4ヶ月+立ち上げ90日の逆算表

人材紹介の許可取得スケジュールは、「申請から許可まで」の期間だけを見ると読み違えます。厚生労働省の案内では申請から許可まではおおむね2〜3か月ですが、講習の受講や書類の準備、補正への対応を含めると、申請準備から許可までは3〜4か月を見込むのが現実的です。許可が下りてから紹介を始め、売上が立つまでには、さらに開業後90日の立ち上げ期間が続きます。事業計画にそのまま転記できるよう、月単位の逆算表で全行程を整理しました。

この記事の結論

人材紹介参入のスケジュールは「講習・書類準備→申請→審査→許可→開業準備→立ち上げ90日」の順に進みます。申請から許可まではおおむね2〜3か月(厚生労働省の案内)ですが、講習・書類準備・補正を含めると申請準備から許可までは3〜4か月、意思決定から開業までは半年前後です。売上が安定するのは開業後の90日を経てからで、意思決定から9〜12か月ほどの計画になります。分かれ目は、審査中を待ち時間にせず、求人開拓の下準備・システム選定・集客設計を並行できるかどうかです。

参入スケジュール全体像|月単位の逆算タイムライン表

まず全体像です。「開業月をいつにしたいか」から逆算する形で、各フェーズの所要期間を月単位で並べます。

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時期(目安) フェーズ 主なタスク 担当
0か月目 意思決定 稟議承認・予算/資金要件の確認・責任者の指名 経営・事業責任者
0〜1か月目 講習・法人整備 職業紹介責任者講習の受講・定款の目的の確認・面談スペース準備 事業責任者・総務
1〜2か月目 書類準備 許可申請書・事業計画書・決算書類・残高証明・事務所図面の準備、労働局への事前相談 事業責任者・経理
2か月目 申請 管轄労働局へ提出(法定費用14万円・1事業所の場合) 事業責任者
2〜5か月目 審査(申請から許可までおおむね2〜3か月) 並行準備:求人開拓の下準備・システム選定・集客設計・人員教育 チーム全員
4〜5か月目 許可取得 許可証受領・許可番号の表示準備。補正が入ると後ろにずれるため、計画では遅いほうの5か月目で置く 事業責任者
5〜6か月目 開業準備・紹介開始 契約書・手数料表の整備、求人の受理、集客チャネルの稼働開始 チーム全員
6〜9か月目 開業後90日 面談積み上げ→推薦→初成約→月次サイクル確立(目標の置き方の例) チーム全員

2026年9月時点。申請から許可までの期間は厚生労働省の案内(おおむね2〜3か月)で、書類の不備や時期によって延びることがあります。講習の受講から許可までを3〜4か月、意思決定から開業までを半年前後で見た計画例です。出典:厚生労働省「職業紹介事業の申請・届出手続き」

表の「審査」までが許可前の準備、「開業準備・紹介開始」からが許可後の事業です。求人・求職の申込みを受け付けて紹介を始めるのは、許可を受けてからになります。

逆算の起点は「開業月」ではなく「初入金月」

人材紹介の売上は、成約者が入社し、請求・入金されて初めて手元に入ります。開業後に面談・推薦・選考を経て入社するまでに時間がかかり、入金は契約の支払条件(例:入社月末締め・翌月末払いなら入社から1〜2か月後)でさらに後になります。開業後90日で初成約を目指す計画でも、初入金はその先です。事業計画のキャッシュフローは、ここまで含めて引いてください。

なお、費用・要件面の詳細(法定費用14万円、基準資産額500万円など)は有料職業紹介の免許取得|法人の費用・期間・要件で稟議用に整理しています。この記事は時間軸に絞ります。

フェーズ1:意思決定〜講習受講(0〜1ヶ月目)

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資金要件と定款の確認(起案と同時に)

基準資産額500万円以上・現預金150万円以上(1事業所の場合)は、会社全体の直近の決算書で判定されます。経理への確認はすぐにできるので、稟議の起案と同時に済ませます。定款に職業紹介事業の記載があることが望ましいものの、記載がなくても、職業紹介事業を行うことを決めた株主総会や取締役会などの議事録を添付すれば申請できます(業務運営要領 第5)。定款の目的を変更する場合は、株主総会の決議と変更登記の期間も見込みます。

2

職業紹介責任者講習の予約・受講

講習(受講料は実施機関で異なり、令和8年度の一般料金は税込8,800〜14,000円)は開催日程が決まっているため、希望日が埋まっていると数週間待ちになります。スケジュール全体のボトルネックになりやすい項目なので、意思決定後すぐ予約してください。2026年4月1日から講習のカリキュラムが変わり、従事者教育に関する内容が加わっています。

講習カリキュラムの変更は日本人材紹介事業協会のお知らせ、開催日程は全国民営職業紹介事業協会などの実施機関の案内で確認できます。

責任者を誰にするか・何名体制で始めるかは開業後の運営に直結します。体制パターンの比較は人材紹介事業の体制設計を参照してください。

フェーズ2:書類準備〜申請(1〜2ヶ月目)

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申請書類一式の作成

許可申請書に加え、事業計画書・直近決算書類・預金残高証明・事務所の賃貸借契約書や図面・個人情報適正管理規程・業務の運営に関する規程などを揃えます。書類の不備は審査期間の延長に直結するため、管轄労働局への事前相談を挟むと手戻りを減らせます。

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管轄労働局へ提出

提出先はハローワークではなく、都道府県労働局です(労働局を経由して厚生労働大臣に提出します)。登録免許税9万円と収入印紙5万円(計14万円、1事業所の場合)を納めます。厚生労働省は、事業開始予定時期のおおむね2〜3か月前までに申請するよう案内しています。

フェーズ3:審査期間(おおむね2〜3か月)に何が起きるか

申請後は、労働局が申請内容や事業所を確認し、労働政策審議会への諮問を経て、厚生労働大臣が許可を決めます。厚生労働省の案内では、申請から許可までおおむね2〜3か月です。書類の不備や時期によっては延びることがあるため、講習・書類準備・補正への対応を含めた「申請準備から許可まで」は3〜4か月で見ておきます。許可の有効期間は新規3年・更新後5年です。この間、申請側の手続きは照会や補正への対応が中心です。だからこそ、次章の「並行準備」がスケジュール設計の核心になります。審査を待つ期間そのものをなくしたい場合は、許可を持つ会社を株式譲渡で取得する方法もあります(事業譲渡では許可は引き継がれません)。判断基準は人材紹介への参入は買収か新規かで整理しています。

審査中にやってはいけないこと

許可前に紹介行為(求職者と求人企業のマッチング・あっせん)を始めることはできません。求人・求職の申込みを受け付けることや、職業紹介を行う旨の宣伝・広告も許可を受けてからにします(業務運営要領は、紹介を行う旨を宣伝・広告している場合は原則として事業性があると判断するとしています)。一方で、求人企業側との関係構築や、開業後の集客・業務の設計は許可前でも進められます。線引きに迷う場合は管轄労働局に確認してください。

審査中に並行で進める3つの仕込み

審査の2〜3か月を仕込みに使えるかどうかで、開業後90日の立ち上がりは大きく変わります。優先度順に3つです。

1. 求人開拓(開業日に「紹介先」がある状態を作る)

開業してから求人を探し始めると、面談しても推薦先がない状態に陥ります。既存取引先へのヒアリング、採用ニーズの棚卸し、求人票のドラフト作成までを審査中に済ませ、開業日に紹介できる求人の候補が複数社ある状態を目指します。求人の申込みを正式に受理するのは許可後なので、審査中はヒアリングと下書きまでにとどめます。事業会社の参入では、この「既存顧客基盤を求人に転換する」工程が大きな強みになります。

進め方の目安として、審査期間を長めの3か月と置いた場合の月別タスク配分を示します。

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審査中の時期 求人開拓 システム・業務 集客
1か月目 既存取引先の採用ニーズ棚卸し ツール比較・業務フロー草案 ターゲット求職者像の定義・チャネル比較
2か月目 求人票ドラフト・条件ヒアリング ツール契約・データ項目設計 送客サービス等の商談・自社チャネル制作
3か月目 開業時に受理する求人の候補リストを確定 契約書・手数料表・運用テスト 開業月の面談数計画の確定・稼働待機

2. システム・業務フロー選定

求職者管理・求人管理・進捗管理のツール選定、面談から推薦・入社確認までの業務フロー、契約書・手数料表の雛形整備を進めます。少人数で始める場合ほど、開業後に業務設計をやり直す余裕はありません。

3. 集客設計(最重要・最難関)

開業後の最大の壁は求職者集客です。自社サイト・広告・SNSなどのチャネルは、立ち上げから安定稼働まで時間がかかるものが多く、開業月に間に合わせるには審査中の着手が必須です。あわせて、開業直後から面談数を確保する手段として、面談確定済みの求職者が送客される着座課金型サービスを組み込む設計もあります。契約や段取りは審査中に進め、面談の受け入れは許可後に始めます。開業直後の集客戦術は人材紹介の立ち上げ集客|開業直後から面談を獲得する5つの秘訣で詳しく解説しています。

許可取得〜開業準備(5〜6ヶ月目)

審査がおおむね2〜3か月で進めば、許可は4〜5か月目に下ります。許可証を受領したら、開業までに以下を完了させます。

  • 許可番号の表示:Webサイト・広告・名刺等に許可番号を表示
  • 契約書類の最終化:求人企業との基本契約、手数料表、返戻金の規定を整える。求人・求職の申込みを受理したら、手数料と返戻金制度を書面などで明示する(職業安定法第32条の13)。違約金の定めがある場合は、求人者に誤解が生じないよう事前に明示する(2025年4月〜。厚生労働省の案内)
  • 集客チャネルの稼働開始:審査中に設計したチャネルを実際に動かし、開業週から面談が入る状態に

開業手続きの全体像(許可申請から集客までの流れ)は人材紹介会社の開業手順|許可申請から集客までの7ステップも参考になります。

このフェーズで意外と時間を取られるのが、既存事業側との調整です。許可番号の表示はコーポレートサイトや会社案内にも及ぶため広報・法務の確認が入り、手数料表や契約書の雛形は法務レビューに数週間かかることがあります。許可証の受領日は事前に正確には読めないため、「許可が下り次第すぐ出せる状態」まで各書類・掲載物の準備を終えておき、受領後は差し込みと公開だけにしておくのが理想です。

開業後90日の立ち上げ計画|「最初の面談」をどう作るか

開業後90日は、まず「面談数」を追う期間と割り切ると判断がぶれません。成約は面談の後にしか生まれず、面談は集客の後にしか生まれないからです。

期間 目標 主なアクション
開業1〜30日 面談の量を確保 集客チャネル稼働・送客サービス併用で面談カレンダーを埋める
31〜60日 推薦・選考の流れを作る 面談→推薦→企業面接の歩留まりを計測し、求人とのマッチ精度を改善
61〜90日 初成約と再現性 初成約の要因を分解し、面談数×成約率の月次モデルに落とす

目標の置き方の例です。90日以内の成約や売上を約束するものではなく、選考期間や入社日によっては、初成約・初入金が90日より後になります。

最初の30日で面談を埋める現実解

立ち上げ直後は知名度も候補者データベースもゼロのため、自社集客だけで面談を埋めるのは困難です。そこで候補になるのが着座課金型の求職者送客です。例えばL reachは、初期費用・月額費用0円の着座課金で、着座単価は1.5万〜3.5万円(税別。職種・エリアで変動)です。全件にオペレーターが15分のプレ面談を行い、日程調整まで対応したうえで、登録者の平均年齢24.7歳・20代比率95.7%の若手を中心に送客します。問い合わせから最短3営業日で開始できるため、審査中に段取りを決めておけば、90日計画の「1〜30日目」に面談を入れる手段として組み込みやすいモデルです。

もちろん送客は選択肢の一つで、中期的には自社チャネルと併用してチャネルの配分を組むのが健全です。参入戦略全体の中での集客の位置づけは人材紹介事業への参入ガイド2026を参照してください。

90日で確認すべきKPIの型

立ち上げ期に見るべき数字はシンプルで、「面談数 → 推薦数 → 企業面接数 → 内定数 → 成約数」のファネルだけです。開業直後は分母が小さく率の議論に意味がないため、最初の60日は面談数と推薦数の絶対値だけを週次で追い、61日目以降に歩留まり(面談→推薦率、推薦→面接率)の改善に移る、という順番を守ると迷いません。90日終了時点で「月あたり面談数」と「面談→成約の歩留まり」の実測値が揃えば、2年目以降の事業計画は実データで引き直せます。

立ち上げ90日でよくある失敗

よくあるのは「面談数が足りないまま歩留まり改善に着手する」パターンです。面談が月数件では、成約率の良し悪しは運の範囲を出ません。まず面談の量、次に質という順番が、90日計画でいちばん守りたい点です。

スケジュールが遅れる5つのポイントと対策

遅延ポイント 起きること 対策
責任者講習の日程 希望日が満席で受講が数週間後ろ倒し 意思決定直後に予約
定款の目的 定款に職業紹介事業の記載がないと、事業を行う旨を決めた議事録の準備が必要(定款を変える場合は決議と登記の期間もかかる) 起案前に定款を確認し、議事録で足りるかを労働局に確認
書類不備 照会・補正で審査が実質延長 労働局への事前相談で潰す
事務所要件 面談時のプライバシー確保構造の不足を指摘される 図面段階で管轄労働局に確認(旧20㎡基準は撤廃済み)
集客の未設計 許可は下りたが面談ゼロで開業が空転 審査中に集客設計・送客契約を完了

5つのうち4つは手続き面の遅延ですが、事業計画上のダメージが最も大きいのは最後の「集客の未設計」です。手続きの遅れは数週間で済むことが多い一方、集客の立ち上げ失敗は数か月単位で売上計画を狂わせます。

よくある質問(FAQ)

Q
人材紹介の許可は最短でどのくらいで取れますか?
A
厚生労働省の案内では、申請から許可までおおむね2〜3か月です。講習の受講や書類の作成・補正を含めると、申請準備から許可まで3〜4か月、意思決定からは4〜6か月ほどを見込むと計画が崩れにくくなります。書類に不備があるとさらに延びるため、管轄労働局への事前相談を活用してください。
Q
審査中に営業活動をしてもよいですか?
A
許可前に職業紹介(求職者と求人企業のあっせん)を行うことはできず、求人・求職の申込みの受付や、紹介を行う旨の宣伝・広告も許可後にします。一方、求人企業との関係構築、業務設計、集客チャネルの準備などは進められます。個別の線引きに迷う行為は管轄労働局へ確認してください。
Q
事業計画には何か月分の先行費用を見込むべきですか?
A
準備から許可・開業までの約半年は売上ゼロで、開業後も面談・選考・入社・請求を経て入金されるまで数か月かかります。人件費・集客費を中心に、初入金の見込み月までの費用を先行費用として置き、入社の延期や辞退に備えて余裕を持たせてください。体制別の月次PLと必要資金の試算は人材紹介事業の収支シミュレーション、費用の内訳は免許取得の費用記事を参照してください。
Q
開業月から面談を入れることは本当に可能ですか?
A
審査中に集客チャネルの設計と契約の段取りを済ませておけば、許可取得後すぐに稼働できます。面談の受け入れを始めるのは許可を受けてからです。着座課金型送客は面談確定済みの候補者が届く仕組みのため、開業初週から面談カレンダーを組む手段として立ち上げ期に向いています。
Q
許可の更新はいつ発生しますか?
A
新規許可の有効期間は3年で、更新後は5年ごとです。更新の申請は有効期間満了日の3か月前までに行います。また毎年4月30日期限で事業報告書の提出義務があります。開業初年度から報告書作成に必要な実績データ(求職者数・紹介件数等)を記録できる業務フローにしておくと、後の負担が減ります。
開業・立ち上げフェーズの会社様へ

許可が下りた月、面談予定は何件入っていますか?

L reachは初期費用・月額費用0円の着座課金型です。開業直後の面談獲得を、面談が実施された分の費用だけで支援します。

相談前に整理できること

  • 初月の面談獲得ルート設計
  • 固定費を抑えた導入
  • 開業後の集客不足を補完

まとめ|審査の2〜3か月を「仕込み期間」に変える

  • 申請から許可まではおおむね2〜3か月(厚生労働省の案内)。講習・書類準備・補正を含めると申請準備から許可まで3〜4か月、意思決定から開業まで半年前後、売上が安定するまで9〜12か月ほどで計画する
  • ボトルネックになりやすいのは責任者講習の日程・定款の確認・書類不備。いずれも意思決定直後の着手で回避できる
  • 審査中の並行準備は「求人開拓の下準備・システム選定・集客設計」の3つ。求人・求職の受付と紹介の開始は許可後。特に集客設計の遅れは売上計画を数か月狂わせる
  • 開業後90日は面談数に集中する。90日の数字は目標の置き方の例で、最初の30日は着座課金型送客の併用で面談カレンダーを埋める設計が現実的

参入判断から開業後の運営までの全体像は人材紹介事業への参入ガイド2026と、人材紹介事業への参入完全ガイドで体系的にまとめています。

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L reach編集部

人材紹介事業ナレッジ編集チーム

foresma株式会社が運営する求職者送客サービス『L reach』編集部。人材紹介会社の支援実績をもとに、集客・CV・運用ノウハウを発信しています。

開業初月から面談を確保するには、求人の整備と並行して、求職者と出会う入口を先に用意しておく必要があります。

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