人材紹介事業において、RA(リクルーティングアドバイザー)の営業力は売上を左右する根幹の要素です。しかし、「テレアポしても繋がらない」「求人をもらっても決まらない」「企業との関係が続かない」と悩むRAは少なくありません。
RA営業で成果を出すコツは、「御用聞き」から「採用課題を一緒に解く相談相手」へ立ち位置を変え、企業と長く付き合える関係をつくることです。
厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年7月分)」によると、有効求人倍率(季節調整値)は1.18倍で、求人数が求職者数を上回る状態が続いています(令和8年7月分の公表資料)。企業の採用ニーズが強い分、紹介会社を比べる目も厳しくなり、RA営業の質が売上に直結します。
7つのコツは、テレアポ・提案・関係構築・KPI管理の4つの場面に分けて紹介します。
人材紹介のRA営業の基本と成果が出ない3つの原因
ホワイトカラー職種の人材紹介市場は2024年度に4,490億円(前年度比12.0%増、矢野経済研究所)まで伸びる一方、事業報告を提出した有料職業紹介事業所は30,561(厚生労働省・令和6年度)あります。企業は複数の紹介会社を比べて選ぶのが普通になり、求人を聞いて回るだけの営業では選ばれにくくなっています。
RA営業で成果が出ない最大の原因は、「求人をもらうこと」がゴールになってしまい、企業の採用課題の解決に踏み込めていないことです。
この章のポイント RA営業の成功率を上げるには、企業の採用背景や事業課題を理解し、「この企業にはこの候補者が合う」と根拠を持って提案できる関係が要ります。テレアポの件数より、1社あたりの理解の深さが成約率を決めます。
RA営業の3つの役割
RAの業務は求人の獲得だけではありません。次の3つの役割を担います。
- 求人開拓: 新規企業へのアプローチと求人獲得
- 採用コンサルティング: 企業の採用課題を分析し、最適な人材要件を提案
- リレーション構築: 継続的な取引関係を維持し、リピート案件を獲得
成果が出ないRAの共通パターン
| パターン | 具体的な問題 | 改善の方向性 |
|---|---|---|
| 御用聞き型 | 「求人ありませんか?」の繰り返し | 企業課題に基づく提案型にシフト |
| 件数偏重型 | アポ件数だけを追い、質が低い | 提案の質を上げ、成約率を重視 |
| 一発型 | 1回の取引で関係が途切れる | 定期フォローで継続取引を獲得 |
| 情報不足型 | 企業理解が浅くミスマッチ推薦 | 企業訪問・ヒアリングを徹底 |
RA体制別の担当社数目安:
| 体制 | 担当社数目安 |
|---|---|
| RA専任 | 30〜50社 |
| RA/CA兼任 | 15〜25社 |
担当社数はL reach編集部の目安で、統計ではありません。業界や求人の難しさで変わるため、自社の実績と比べる参考値としてご覧ください。
RA営業で成果を出す7つのコツ
コツ1: テレアポは「仮説提案」で差別化する
受付突破からアポ打診までの通しスクリプト
【受付】
「お世話になります。人材紹介の◯◯です。
中途採用をご担当の方はいらっしゃいますか?」
(担当者が分からない場合)
「求人票の件でお電話しました。
ご担当の方のお名前だけ伺えますか?」
【担当者接続】
「◯◯業界で20代営業職の紹介を専門にしている◯◯です。
御社の◯◯職の募集を拝見しました。
直近で2名、要件に近い候補者がおります。」
【仮説提示】
「◯◯のポジションは応募が集まりにくい傾向がありますが、
御社はいかがですか?」
【アポ打診】
「候補者の詳細と、御社の採用要件のすり合わせで、
15分だけお時間をいただけませんか。
今週ですと木曜か金曜はいかがでしょう?」
「要件に近い候補者がいる」と伝えるのは、実際に紹介できる候補者がいるときだけにします。いないのにいるように話すと、信頼は一度で失われます。
テレアポは仮説提案で差別化する
テレアポの成否は、電話をかける前のリサーチでほぼ決まります。企業のHPや求人ページを先に確認し、「この企業はこういう課題を抱えているのではないか」という仮説を立ててから架電します。
仮説テレアポのトーク例:
- 「〇〇株式会社の人事ご担当者様でしょうか。人材紹介の〇〇と申します」
- 「御社のHPで〇〇職の求人を拝見しました。〇〇業界の採用は難易度が高いと思いますが、現在の採用状況はいかがですか?」
- 「弊社では同業界で〇名の採用支援実績があり、15分ほどお時間をいただければ具体的な事例をご紹介できます」
ポイント: 最初の15秒で「御社のことを調べてから電話している」と伝わると、話を聞いてもらいやすくなります。求人開拓の進め方は人材紹介の求人開拓方法5選でも取り上げています。
NG例(御用聞きトーク): 「お忙しいところ恐れ入ります。人材紹介の〇〇です。現在、採用のご予定はございますか?」 → 企業側の反応:「今は特にないので結構です」で終了。
OK例(仮説提案トーク): 「お忙しいところ恐れ入ります。人材紹介の〇〇です。御社が〇〇職を募集されているのを拝見し、同業界で3名の紹介実績がある弊社からご提案できることがあると思いお電話しました」 → 企業側の反応: 具体性があるため「少し聞いてみよう」となりやすい。
コツ2: 初回面談では「聞く8割・話す2割」を徹底する
初回面談では聞く8割・話す2割
企業との初回面談で自社サービスの説明に終始するRAは多いですが、成果を出すRAは「聞くこと」に集中します。
企業ヒアリングで聞く項目:
- 採用背景: なぜ今このポジションを募集しているのか(増員?欠員?新規事業?)
- 過去の採用課題: これまでどんな手法で採用し、何が上手くいかなかったか
- 求める人物像: スキルだけでなく、カルチャーフィットや価値観
- 選考プロセス: 面接回数・面接官・判断基準
- 競合状況: 他のエージェントや採用手法の利用状況(企業は大手・特化型・中小を比べてエージェントを選んでいます。大手vs特化vs中小の比較参照)
ここまで聞けていれば、推薦する候補者の絞り込みも、他社との違いを出す提案もしやすくなります。
コツ3: 求人票を「一緒に作る」意識で精度を上げる
求人票を一緒に作る意識で精度を上げる
企業から受け取った求人票をそのまま使うのではなく、候補者に伝わる求人票を企業と一緒に作ります。
求人票ブラッシュアップのポイント:
- 「必須条件」と「歓迎条件」を明確に切り分ける
- 業務内容は具体的な1日の流れまで落とし込む
- 年収レンジに幅がある場合、経験・スキル別の目安を記載
- 入社後のキャリアパスや成長機会を盛り込む
求人票の中身が具体的になるほど、候補者は自分に合うかを判断しやすくなり、応募の意欲も上がります。労働条件は企業に確認した事実だけを書き、実態より良く見せないようにします。
コツ4: 推薦時は「なぜこの候補者か」を論理的に説明する
推薦は数ではなく、「企業が求める人物像に合う根拠」をはっきり伝えることが肝心です。推薦状の書き方は人材紹介の推薦状の書き方|テンプレート例文付も参考にしてください。
推薦コメントに含めるべき3要素:
- マッチングの根拠:企業の要件と候補者の経験・スキルの一致点
- 候補者の強み:数値化された実績や具体的な成果
- 転職動機の妥当性:なぜこのタイミングで、なぜこの企業に転職したいのか
「以前は1求人あたり5〜10名を推薦していましたが、今は3名に絞って推薦コメントの質を上げています。書類通過率が上がり、結果的に成約数も増えました。」
送客サービスのプレ面談で転職意向や希望条件が確かめられている候補者なら、CAの面談では経験や動機の深掘りに時間を使えます。その分、推薦コメントに具体的なエピソードを入れやすくなります。
コツ5: 企業への定期フォローを仕組み化する
定期フォローを仕組み化する
一度取引した企業からの追加の依頼は、社風や選考の基準が分かっている分、新規の企業より決まりやすい傾向があります。フォローを仕組みにして、取引を続けられる関係をつくります。
フォロースケジュールの例:
- 成約後1週間:入社者の状況確認 + 追加採用ニーズのヒアリング
- 成約後1ヶ月:入社者の定着状況報告 + 他部署の採用状況確認
- 四半期ごと:採用計画の変更有無確認 + 市場動向の情報提供
- 半期ごと:人事担当者との関係強化ランチ・面談
コツ6: 市場情報・採用データを武器にする
企業にとってのRAの価値は、候補者の紹介だけではありません。「採用市場の最新情報を持っている」ことも差別化のポイントになります。
企業に提供したい市場情報:
- 競合他社の採用動向・年収水準
- 職種別の有効求人倍率・採用難易度の変化
- 候補者の転職意向トレンド(年齢層・希望業界の変化)
- 他社の採用成功事例(匿名ベース)
情報には出典と時点を添え、その企業の求人にどう関係するかまで説明します。こうした情報提供を続けると、「このRAに相談すれば採用課題が解ける」という立ち位置ができていきます。
コツ7: KPIを正しく設定して行動を管理する
KPIを正しく設定して行動を管理する
RA営業の成果を安定させるには、工程ごとにKPIを置き、詰まっている箇所を見つけて直すサイクルを回します。
RA営業の主要KPI:
| KPI | 目安 | 改善のポイント |
|---|---|---|
| 架電数/日 | 30〜50件 | リスト精度を上げてムダな架電を削減 |
| アポ取得率 | 5〜15% | 仮説提案トークの質を向上 |
| 新規求人獲得数/月 | 5〜15件 | 提案の質 + フォロー頻度を改善 |
| 書類通過率 | 30〜50% | 推薦精度の向上(量→質の転換) |
| 成約率(求人ベース) | 10〜30% | 企業ニーズの深い理解 + 候補者の質向上 |
| リピート率 | 40〜60% | 定期フォローの仕組み化 |
目安はL reach編集部の目安で、統計ではありません。扱う職種や企業規模で大きく変わるため、自社の実績と比べる参考値としてご覧ください。
改善を報告するときは、ポイント差と相対値を分けて書きます。書類通過率が30%から45%になったなら「15ポイント上昇」で、相対値では「50%増」です。対象の推薦件数と期間も添えないと、施策の効果を大きく見誤ります。
KPIは月次で振り返ってこそ機能します。指標の設計はRA/CA別のKPI設計テンプレート、月次の運用はKPI悪化時の打ち手診断フロー付きの月次レビュー会議テンプレが参考になります。
人材紹介RA営業の効率を上げるツール活用法
CRM・SFAツール
企業との接触履歴を一元管理し、フォロー漏れを防ぎます。Salesforce・HubSpotなどの汎用ツールや、人材紹介特化のPORTERS・マッチングッドが選択肢です。CRM・SFAツールの比較は人材紹介CRMツール比較14選、導入手順は人材紹介CRMの導入完全ガイドで詳しく解説しています。
企業情報リサーチツール
テレアポ前のリサーチには、企業情報データベースや求人メディアが役立ちます。帝国データバンク・東京商工リサーチなどのデータベースでは、企業の業績や従業員数を事前に調べられます。採用状況は、企業の採用ページや求人媒体の掲載内容で確認します。
L reach(エルリーチ)でRA営業の「決定力」を強化
RA営業で求人を増やしても、紹介できる候補者がいなければ成約にはつながりません。L reach(エルリーチ)は、全件にオペレーターが15分のプレ面談を行い、転職意向と希望条件を確かめた20代中心の求職者を送客するサービスです。RAが開拓した若手向けの求人に対して、面談の数を補いたいときの選択肢になります。
- 初期費用・月額費用0円、着座課金1.5万〜3.5万円(税別)/着座(職種・エリアで変動)
- 登録者の平均年齢24.7歳、20代比率95.7%
- 重複候補者・要件不一致・無断キャンセルは非課金
- 契約期間の縛りなし。問い合わせから最短3営業日で開始
人材紹介のRA営業に関するよくある質問(FAQ)
RA営業のKPI、CA側の面談数とつながっていますか?
L reachは、CAの工数を増やさずに面談数を増やすための送客サービスです。業務改善と並行して使えます。
相談前に整理できること
- 面談数の入口を改善
- 対応工数を削減
- KPI改善に必要な母集団を補完
まとめ|RA営業は「量」よりも「質」で勝負する時代
RA営業で成果を出すコツは、テレアポの件数を増やすことではなく、1社ずつ企業理解を深めて「採用課題を一緒に解くパートナー」という立ち位置をつくることです。仮説を持ったアプローチ、企業ニーズの深掘り、定期フォローの仕組み化を続け、繰り返し依頼される営業を目指しましょう。関連記事の一覧はLINE・CRM活用で面談率・成約率を改善する運用ガイドにまとめています。
L reach編集部
人材紹介事業ナレッジ編集チームforesma株式会社が運営する求職者送客サービス『L reach』編集部。人材紹介会社の支援実績をもとに、集客・CV・運用ノウハウを発信しています。
業務フローを改善して歩留まりが上がっても、面談の母数が足りなければKPIの伸びはすぐに止まります。
初期費用・月額費用なし/契約期間の縛りなし



