人材紹介のSEO(検索エンジンからの集客)は、広告費をかけ続けなくても求職者や企業と出会える、中長期の集客手段です。一方で、Google検索には2024年から「AIによる概要(AI Overviews)」が、2025年には日本語の「AIモード」が加わり、検索結果の見え方は変わってきました。
人材紹介会社が自社メディアで求職者の面談を増やすために、キーワード戦略、メディア設計の7ステップ、技術面の点検項目、送客サービスと組み合わせた試算を順に整理します。「月100面談」は、計画を立てるための目標のモデルです。達成を保証する数字ではなく、競合の強さや扱う職種、記事の質によって、たどり着くまでの期間も上限も変わります。
L reach COMPASS(L reachを運営するforesma株式会社のメディア)の運用で得た知見も紹介します。ただし、このメディアの読者は人材紹介会社で、検索経由の成果は求職者の面談ではなく法人からの相談です。求職者向けメディアの面談数とは分けて読んでください。
人材紹介でSEOが効く3つの理由、AIによる概要(AI Overviews)・AIモードが加わった2026年のSEOの基本、求職者向けと企業向けのキーワードの分け方を整理します。そのうえで、オウンドメディア設計の7ステップ、技術面の点検項目、SEOと送客サービスを組み合わせた試算、L reach COMPASSの運用で得た知見、よくある失敗5つを紹介します。
オウンドメディアの戦略と編集体制は人材紹介のオウンドメディア集客|SEOで面談を獲得する5ステップ、集客方法の全体像は人材紹介の集客方法7選で扱っています。
人材紹介でSEOが効く3つの理由
ホワイトカラー職種の人材紹介市場は、2024年度に4,490億円(前年度比12.0%増、矢野経済研究所)まで伸びました。事業報告を提出した有料職業紹介事業所も30,561あります(令和6年度、厚生労働省)。求職者の取り合いが激しくなるなか、東京商工リサーチの調べでは、2023年度に売上高に占める宣伝費の比率が最も高かった業種は職業紹介業(18.8%)でした。広告だけに頼らない入口として、SEOを組み合わせる意味があります。
SEOに取り組む理由は、次の3つです。
検索ボリュームが高く、転職者意図が明確
「転職」「求人」に関わる言葉は検索される回数が多く、「営業 転職 未経験」のように具体的な言葉で調べる人は、何を知りたいかがはっきりしています。検索した人の疑問に合う記事を用意できれば、広告と違って、配信を止めても読まれ続けます。
CPA(獲得単価)を時間とともに下げられる
SEOの獲得単価(CPA)は、記事の制作・更新にかかった費用を、その記事から生まれた面談数で割って計算します(CPA=記事の制作・更新費÷面談数)。広告は面談を1件増やすたびに費用がかかるのに対し、記事は読まれ続ける限り面談を生むため、時間がたつほど1件あたりの費用は下がっていきます。ただし、統計や制度の更新、順位が落ちた記事の書き直しには継続して費用がかかるため、「費用ゼロ」にはなりません。
ブランディング・採用への副次効果
オウンドメディアの記事は、求職者の集客だけでなく、求人企業からの問い合わせや、自社のCA採用で応募者が会社を調べるときの材料にもなり、ほかのサイトから紹介(リンク)されることもあります。なお、求人企業からの問い合わせ(法人向けの成果)と求職者の面談(個人向けの成果)は、狙うキーワードも数え方も別です。L reach COMPASSの場合、検索経由の成果は人材紹介会社からのサービスに関する相談で、求職者の面談ではありません。
2026年SEOの基本|AI Overviews・AIモード対応
Google検索では、通常の検索結果に加えて、AIが要点をまとめて参考ページへのリンクを示す機能が広がっています。ただしGoogleは、AI機能のための特別な対策は不要で、これまでのSEOの基本がそのまま有効だとしています。押さえておきたい基本は、次の5つです。
Googleの検索体験(AI Overviews・AIモード)の変化
Googleは、2023年から試験運用していた機能(当時の名称はSGE)を、2024年5月に「AIによる概要(AI Overviews)」として米国で提供し始め、日本でも同年8月に導入しました。2025年9月には、対話形式で深く調べられる「AIモード」の日本語での提供も始まっています。AIによる概要が表示されるのは、通常の検索結果より役に立つとシステムが判断した検索だけです。概要を読んだだけで検索を終える人もいるため、順位が同じでもクリック数が変わることがあります。Search Consoleでは、これらの機能からの流入も、通常の検索(「ウェブ」)の数字に含まれる点に注意が必要です。最新の説明はGoogle 検索セントラルで確認できます。
E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の重要性
E-E-A-Tは、経験(Experience)・専門性(Expertise)・権威性(Authoritativeness)・信頼性(Trustworthiness)の頭文字です。点数で測るものではなく、Google自身も、E-E-A-T自体は検索順位に直接影響する要因ではないとしています。ただし、E-E-A-Tが優れたコンテンツを見分けるために、さまざまな要素を組み合わせて使っているとも説明しており、中でも最も重要なのは信頼性です。人材紹介の記事なら、誰が書いたか(著者・運営会社)、どう作ったか(取材・自社データ・出典)、なぜ書いたか(読者の役に立つため)を記事の中で示すことが、この考え方に沿った取り組みになります。詳しくはGoogleの有用で信頼性の高いコンテンツの作成を参照してください。
「ヘルプフル コンテンツ」の考え方
2022年に「ヘルプフル コンテンツ アップデート」として発表されたシステムは、2024年3月にGoogleのコアランキングシステムの一部になりました(Google 検索ランキング システムのご紹介)。検索からの集客を主な目的にしたコンテンツではなく、人が人のために作った独自性のある有用なコンテンツを検索結果に表示する、という考え方は、いまも評価の土台にあります。検索順位を操作する目的でAIなどを使って大量にページを作ることは、Googleのスパムに関するポリシーに違反します。
AIによる概要・AIモードとコンテンツ設計
Googleは、AIによる概要やAIモードに表示されるための追加の要件や特別な最適化はなく、専用のファイルや特別な構造化データも必要ないとしています。参考リンクとして表示される前提は、ページがインデックスに登録され、通常の検索でスニペット(説明文)を表示できる状態であることです。条件を満たしても、表示は保証されません(Google「AI 機能とウェブサイト」)。そのうえで、次のような基本を整えておくと、通常の検索とAI機能の両方に役立ちます。
- 見出しと冒頭の文で、検索した人の疑問に短く答える
- 自社の支援経験・取材・データなど、ほかのサイトにない情報を出典とあわせて書く
- 著者や運営会社の情報を明示する
- 重要な内容は、画像だけでなくテキストで書く
- 構造化データを使う場合は、ページに表示されている内容と一致させる(記述の仕様はSchema.orgで確認できます)
FAQの構造化データについては、2023年8月から、FAQのリッチリザルトがよく知られた信頼できる政府・医療のサイトに限って表示されるようになりました(Googleの発表)。一般の人材紹介会社のサイトでは、FAQを構造化データにしても、検索結果にQ&Aが表示されることは基本的になく、AIによる概要に引用されやすくなるわけでもありません。使われていない構造化データが問題を起こすことはないため削除する必要はありませんが、順位やAIへの引用を目的に追加するものではありません。
Core Web Vitalsの最新基準
web.dev/vitalsで公開されている指標は、LCP(表示の速さ)2.5秒以下、CLS(レイアウトのずれ)0.1以下、INP(操作への反応)200ms以下の3つです。INPは2024年3月に、それまでのFIDから置き換わりました。表示速度や操作性はページエクスペリエンスの一部で、Googleは、限られた指標だけにとらわれず、全体として使いやすいかを見るよう勧めています。数値だけを追うより、スマートフォンで快適に読めるかを確かめます。
人材紹介のキーワード戦略
人材紹介のSEOでは、「求職者向けキーワード」と「求人企業向けキーワード」を分けて設計します。読者も、成果の数え方も違うためです。
求職者向けキーワード vs 求人企業向けキーワード
| 軸 | 求職者向け | 求人企業向け |
|---|---|---|
| 例 | 「看護師 転職 おすすめ」「エンジニア 転職 30代」 | 「人材紹介 手数料 相場」「人材紹介 比較」 |
| 検索される回数 | 多い | 少なめ |
| 競合 | 大手の転職サイト・メディアが上位に多い | 大手が少なく、専門的な記事で上位を狙える場合がある |
| 費用対効果 | 流入は多いが、面談予約までの距離がある | 流入は少ないが、問い合わせにつながりやすい |
| 成果の数え方 | 求職者の登録・面談予約 | 企業からの問い合わせ・求人の相談 |
求職者向けだけを狙いがちですが、求人の開拓を増やしたいなら、企業向けのキーワードも候補になります。どちらにどれだけ力を配分するかは、足りないのが求職者か求人かで決めます。成果の数え方が違うため、面談数と問い合わせ数は同じ表で合算しないのが原則です。
キーワード調査ツール
代表的なツールは次のとおりです。Googleキーワードプランナー(Google広告のアカウントがあれば無料で使える)、Ahrefs(有料。海外のデータも調べられる)、Ubersuggest、ラッコキーワード(日本語の関連語を調べやすい)、Search Console(自社サイトが実際にどの言葉で表示・クリックされているかを確認できる)。有料ツールの料金は、各社の公式サイトで確認してください。
検索意図の4分類(Know/Do/Buy/Go)
キーワードは、検索した人の目的で4つに分けて整理します。Know(知りたい)/Do(何かをしたい)/Buy(サービスを選びたい)/Go(特定のサイトに行きたい)です。人材紹介では、面談の申込に近いDoやBuyの言葉(「転職 相談 無料」「営業 転職エージェント おすすめ」など)の記事を優先して作ります。Know(「第二新卒 いつまで」など)の記事には、関連記事へのリンクを通じてDoやBuyの記事へ読者を案内する役割を持たせます。
テーマごとに記事をまとめる設計(トピッククラスタ)
一つのテーマについて、全体像をまとめた記事(まとめ記事)と、個別の疑問に答える記事を用意し、互いにリンクでつなぐ設計です。SEOの分野では「トピッククラスタ」と呼ばれます。L reach COMPASSでは、「人材紹介の集客」の全体像を人材紹介の集客方法まとめ【2026】にまとめ、SNS集客・SEO・LINE活用・Indeedなどの個別記事と相互にリンクしています。個別記事の例は営業未経験に強い転職エージェントの作り方です。
人材紹介オウンドメディアの設計7ステップ
ここからは、求職者向けのオウンドメディアを立ち上げる手順を7ステップで紹介します。所要時間は目安で、体制や記事数によって変わります。
STEP1 ペルソナとKGI設定(所要1〜2週間)
ペルソナ(想定する読者像)は、メイン1人とサブ1人の2人に絞ると、記事の方向性がぶれにくくなります。KGI(最終目標)は、たとえば「SEO経由の面談を月100件」のように数字で置きます。月100件はこの記事で使う目標のモデルなので、自社の求人数やCAの対応力に合わせて置き直してください。KGIから逆算して、KPI(途中の指標:月間の訪問者数、記事の公開数、面談予約率など)を決めます。
計算例:訪問者のうち面談を予約する割合が0.5%、予約から面談の実施までが70%だとすると、月100件の面談には月に約2万8,600人の訪問が必要です(100÷0.7÷0.005≒2万8,571)。いずれも仮の数字なので、自社の実績に置き換えて計算します。
STEP2 テーマの柱と記事の関係を決める(所要1〜2週間)
扱うテーマの柱を3〜5本決め(求職者向けなら、例:職種別の転職、未経験からの転職、面接対策、年代別の悩み)、柱ごとに全体をまとめる記事と、個別の疑問に答える記事を5〜10本ずつ割り当てます。どの記事からどの記事へリンクするかをスプレッドシートで一覧にしておくと、内容の重複や抜けに気づけます。
STEP3 記事制作ガイドライン作成(所要2〜3週間)
見出しの付け方、出典の書き方、著者・監修者の表示、関連記事へのリンクの入れ方、申込ボタンの位置、画像のルールを文書にまとめ、執筆者・編集者・確認担当で共有します。文字数は目標にしません(Googleも、優先する文字数はないとしています)。
STEP4 サイトの構造と記事どうしのリンクを決める(所要1週間)
サイトは「トップ→テーマのまとめ記事→個別記事」の3階層程度にすると、読者も検索エンジンも目的のページにたどり着きやすくなります。各記事から、読者が次に知りたい関連記事へリンクを張ります。リンクの文言(アンカーテキスト)は、リンク先の内容が分かる言葉が基本です。本数を決めて機械的に増やすより、文脈に合うものに絞ります。サイト構造の考え方はGoogle 検索セントラルでも解説されています。
STEP5 テクニカルSEO実装(所要2〜4週間)
技術面の土台(テクニカルSEO)を整えます。表示速度とスマートフォン対応、タイトルと説明文(メタタグ)、XMLサイトマップの送信、robots.txtの設定、HTTPS化、必要に応じた構造化データなどです。公開後に直すと手間が増えるため、できるだけ公開前に確認し、公開後はGoogle Search Consoleで状態を見続けます。
STEP6 公開と効果計測(所要1〜3ヶ月で初期データ)
Search Console(GSC)で、検索された言葉・順位・クリック率(CTR)を週ごとに確認し、GA4で訪問数と面談予約を追います。Looker Studioで一つの画面にまとめておくと、どの記事を直すかを決めるときに便利です。求職者の面談予約と企業からの問い合わせは、別の成果として分けて記録します。L reach COMPASSでも、月ごとに数字をまとめて社内で共有しています。
STEP7 リライト・追記の運用(継続)
公開から3〜6か月ほどたち、順位が落ち着いてきたら、「順位・クリック率・面談予約率」を見て直す記事の優先順位を決めます。統計や制度の数字が古くなった記事も見直しの対象です。新しく書く記事と直す記事の配分は、記事数が増えるほど直す側に寄せていきます(例:新規3・書き直し7)。Googleは、内容を実質的に変えずに日付だけを新しくすることを勧めていないため、何を確認し、何を直したかを記録しておきます。
テクニカルSEOチェックリスト
STEP5の補足として、公開前に確認したい主な項目をまとめました。
| カテゴリ | 項目 | 確認方法 |
|---|---|---|
| タイトル・説明文 | 内容が分かる固有のタイトルと説明文か(検索結果で切れにくい長さの目安は、タイトル30〜35字、説明文110〜130字前後) | 全記事の一覧で確認 |
| 構造化データ | Article・BreadcrumbListなど、ページの内容に合うものを正しく記述しているか。HowToのリッチリザルトは2023年9月に終了し、FAQは主に政府・医療サイトでのみ表示される | リッチリザルトテスト |
| Core Web Vitals | LCP/CLS/INP | PageSpeed Insights |
| モバイル対応 | ビューポート、フォントサイズ、ボタンサイズ | Lighthouse(Chrome)、実機での表示確認 |
| サイトマップ | XMLサイトマップの送信、最終更新日 | Search Console |
| robots.txt | クロールの許可・禁止のルール | Search Console |
| HTTPS | 全URLでHTTPS、混在コンテンツゼロ | SSL Labs |
| 関連記事へのリンク | 関連する記事どうしがつながり、どこからもリンクされていないページがないか | クロールツール(Screaming Frogなど) |
| 重複コンテンツ | canonical(正規URL)の設定、重複ページの統合 | Search Console |
| 著者・運営者の情報 | 著者や運営会社の紹介ページがあり、記事からたどれるか | サイト全体 |
コンテンツSEOの実装
記事の中身を整えるポイントを4つ紹介します。
タイトル・ディスクリプション作成
タイトルは内容を正確に表し、主なキーワードを前のほうに入れます(30〜35字前後が、検索結果で切れにくい目安です)。数字や年号を入れると具体的になりますが、内容を誇張したタイトルは避けます。説明文(ディスクリプション)は、検索した人が読む価値を判断できる要約にします(110〜130字前後が目安)。L reach COMPASSの記事一覧は「記事一覧」で確認できます。
見出し構造(H2→H3→H4)
見出しは、読者が目次を見ただけで内容をつかめるように付けます。H2の数に決まりはなく、H2が8〜10本、それぞれにH3が3〜5本という構成は一例です。H4まで使う場合は、1記事5〜10か所程度に留めます。すべての見出しにキーワードを詰め込むと読みにくくなるため、自然な日本語を優先します。
一次情報・図表・E-E-A-T要素
自社の支援で得たデータや担当者の経験、取材で聞いた話は、ほかのサイトにない一次情報です。E-E-A-Tは点数で上げ下げするものではありません。それでも、こうした情報を出典や集計の条件とあわせて示せば、読者は内容を信頼して判断でき、Googleが説明する有用なコンテンツの考え方にも沿います。数字を載せるときは、集計の期間・対象・定義を書き添えます。
リライトの判断基準
公開から3か月たっても平均掲載順位が8〜30位にとどまる記事は、検索意図とのずれや情報の不足を直すと、順位が上がる余地があります。50位より下の記事は、狙うキーワードと内容が合っていないことが多いため、構成から見直します。改善の効果が表れるまでには数か月かかることもあり、変更しても順位が上がる保証はありません(Google「コア アップデートとウェブサイト」)。
SEO×送客サービスのROI試算
SEOだけで集客する場合と、SEOに着座課金型の送客サービスを組み合わせる場合で、面談数と費用がどう変わるかを試算します。架空の人材紹介会社A社が、月100万円の予算を12か月使うケースです。
試算の前提
- SEO単独:月100万円を記事の制作・改善に使う。SEO経由の面談は1か月目5件、3か月目15件、6か月目40件、12か月目100件と増えると仮定し、間の月は直線的に増えるとする(月100件はこの記事の目標モデル)
- 併用:SEOに月40万円、送客に月60万円。SEO経由の面談はSEO単独の4割と仮定。送客は1面談3万円として、毎月20件
| 項目 | SEO単独 | SEO×送客併用 |
|---|---|---|
| 月予算 | 100万円(全額を記事の制作・改善に) | SEO 40万円+送客 60万円 |
| 1か月目の面談数 | 5件 | 22件(SEO 2件+送客 20件) |
| 3か月目の面談数 | 15件 | 26件(SEO 6件+送客 20件) |
| 6か月目の面談数 | 40件 | 36件(SEO 16件+送客 20件) |
| 12か月目の面談数 | 100件 | 60件(SEO 40件+送客 20件) |
| 最初の6か月の累計面談数 | 約125件 | 約170件 |
| 最初の6か月の面談1件あたり費用 | 約4.8万円 | 約3.5万円 |
| 12か月の累計面談数 | 約575件 | 約470件 |
| 12か月の面談1件あたり費用 | 約2.1万円 | 約2.6万円 |
数値はすべて仮定に基づく試算で、実績や予測ではありません。送客の単価は、L reachの着座課金(1面談1.5万〜3.5万円・税別、職種・エリアで変動)の範囲内で置いた仮の値です。送客の面談が20件に届かない月は、その分だけ費用も下がります。
この前提では、立ち上げの6か月は併用のほうが面談数が多く、1件あたりの費用も低くなります。一方、SEOが計画どおりに伸びれば、12か月の通算ではSEO単独のほうが面談数は多い計算です。ただし、SEOの伸び方は競合や記事の質で大きく変わり、計画どおりに育たないこともあります。立ち上げ期は送客で面談数の下限を確保し、SEO経由の面談が増えてきたら送客の比率を下げていく、という使い分けが現実的です。
送客には、たとえばL reachのように、面談が実施されたときだけ費用がかかる着座課金型のサービスがあります。L reachは初期費用・月額費用0円で、全件にオペレーターが15分のプレ面談を行い、登録者の平均年齢は24.7歳です。獲得単価の下げ方は人材紹介CPA削減7選、広告との組み合わせ方は人材紹介のリスティング広告ガイドで扱っています。
L reach COMPASSの運用実績|運用から得た知見
L reach COMPASS(テーマ別のガイド7本と記事82本、2026年9月時点)の運用から得た知見を共有します。このメディアの読者は人材紹介会社の経営者やCAで、検索経由の成果として数えているのは、人材紹介会社からのL reachへの相談です。求職者の面談を集めるメディアとは読者も成果も違うため、面談数の目安としてではなく、運用の進め方の参考として読んでください。詳しい数値は公開していませんが、傾向として次のことが言えます。
- 既存記事の見直しは、新しく書くより効果が表れやすかった:全記事の書き直し、記事どうしのリンクの見直し、統計の更新をした後に、表示回数とクリックが伸びました。同じ時期に複数の施策を行っているため、どれが効いたかは切り分けられていません
- インデックスの状態が土台になる:サイトマップの整理、リダイレクトの統一、似た記事の統合を行い、現在の記事はほぼすべてインデックスに登録された状態です
- 流入は「サービス名での検索」と「比較・動向を調べる検索」が中心:テーマ別のガイドと個別記事をつなぐ構成にしたことで、送客サービスに関する主な検索語で1ページ目に表示される記事が出てきました
- 検索経由の相談は毎月ある:広告と比べて、相談1件あたりの費用を抑えられています
L reach COMPASSでもFAQを構造化データとして出力していますが、前述のとおり、一般のサイトではFAQのリッチリザルトは基本的に表示されず、AIに引用されやすくなるわけでもありません。AIによる概要からの流入は、Search Consoleでは通常の検索(「ウェブ」)の数字に含まれて表示されます。
「記事の質は高いのに検索に出ない」典型パターン|CSR起因のインデックス障害
記事の内容ではなく、ページの作り方(レンダリング方式)が原因で検索に出にくくなることがあります。ここでは、JavaScriptで本文を表示するサイトで起こりうるパターンと、原因の切り分け方を紹介します。ただし、JavaScriptを使っていることだけで「インデックスされない」とは言えません。ほかの原因から順に確かめるのが近道です。
典型的なシグナル3つ
- GSCの「クロール済み - インデックス未登録」に記事が積み上がり続ける
site:検索でヒットするのが、トップページなどごく一部だけ- 記事を追加しても、表示回数がまったく増えない
この状態が数週間続く場合は、時間の問題だけでなく、ページの作りや設定に原因がないかを確認します。「クロール済み - インデックス未登録」という表示だけでは、原因がJavaScriptにあるとは特定できません。内容の重複や薄さ、noindexやcanonicalの指定、内部リンクやサイトマップへの掲載漏れ、サーバーの応答なども原因になりえます。
原因の技術解説|CSRレンダリングとクローラビリティ
原因の一つになりうるのが、CSR(クライアントサイドレンダリング)です。CSRでは、サーバーが最初に返すHTMLにはほとんど本文がなく、ブラウザでJavaScriptが実行されてから本文やタイトルが表示されます。
Googleは、JavaScriptを使うページを「クロール→レンダリング→インデックス登録」の3段階で処理し、最新のChromiumでJavaScriptを実行して本文を読み取ります。そのため、CSRだからといってインデックスされないわけではありません。ただし、レンダリングは待ち行列(キュー)に入って順番に処理され、数秒で終わることもあれば、それ以上かかることもあります。JavaScriptの読み込みに失敗したり、robots.txtでJavaScriptのファイルへのアクセスを禁止していたりすると、本文を読み取れないことがあります。人のブラウザでは問題なく表示されるため、目で見るだけでは異常に気づきにくい点に注意が必要です(Google「JavaScript SEO の基本を理解する」)。
対処法|SSR/SSG化と再クロール
URL検査で、レンダリング後のHTMLに本文がないと確認できた場合は、レンダリング方式の見直しを検討します。Next.jsなどでSSR(サーバーサイドレンダリング)やSSG(静的生成)に切り替え、最初に返すHTMLに本文・タイトル・説明文・構造化データを含める方法です。Googleも、サーバー側でのレンダリングはユーザーとクローラーの両方にとって表示を速くし、JavaScriptを実行できないボットもあることから、検討に値するとしています。あわせて、サイトマップの再送信と、URL検査ツールからの再クロールのリクエストを行います。
回復は一度には起きず、再クロール→インデックス登録→表示回数の回復と、段階的に進みます。修正しても登録や順位の回復が保証されるわけではないため、修正した日と、その後の「クロール済み - インデックス未登録」の件数の推移を記録しておきます。
原因を切り分けるチェック方法
上から順に確認します。
| チェック | 方法 | 注意したい状態 |
|---|---|---|
| noindex・canonical | ページのソースとURL検査で、意図しない指定がないかを見る | 公開したい記事にnoindexがある、canonicalが別のページを指している |
| サイトマップ・内部リンク | サイトマップに記事が載っているか、ほかの記事からリンクされているかを見る | どこからもリンクされていない記事がある |
| URL検査ツール | GSCで記事URLを検査し、「クロール済みのページを表示」でHTMLを見る | 取得したHTMLに本文のテキストがない |
| site:検索 | site:自社ドメイン で検索する(件数は概算) |
公開記事数よりヒット数が大幅に少ない |
| JSレンダリング確認 | ブラウザでJavaScriptを無効にして記事を開く(またはページのソースを表示する) | 白紙になる、本文が表示されない |
| GSCインデックスレポート | 「クロール済み - インデックス未登録」の推移を見る | 記事を追加するたびに増え続ける |
JavaScriptが原因だと分かったら、レンダリング方式を見直します。オウンドメディアの構築を外注する場合は、最初のHTMLに本文が含まれる作り(SSRやSSGなど)になっているかを、契約前に確認しておくと安心です。
SEO失敗パターン5つ
L reach COMPASSの運用や、人材紹介会社への取材で見聞きしてきた失敗パターンを5つまとめます。
- キーワードを決めずに記事を量産する:テーマの柱を決めずに単発の記事を増やし、記事どうしのつながりがないまま読まれない。
- AIの下書きをそのまま公開する:事実確認も独自の情報もないまま公開し、ほかのサイトと同じような記事が並ぶ。検索順位の操作を目的に大量に作れば、Googleのスパムに関するポリシー違反にもなる。
- 技術面の確認を後回しにする:スマートフォンで読みにくい、表示が遅い、インデックスに登録されていない記事があることに気づかない。
- 公開後に見直さない:順位が伸びない記事や、統計・制度が古くなった記事を放置し、読者の信頼を失う。
- 資金計画を立てずに始める:SEOの効果が出る前に予算が尽きて撤退する。立ち上げ期の面談数を広告や送客でどう確保するかを決めていない。
人材紹介のSEOに関するよくある質問(FAQ)
SEO経由の面談、月に何件取れていますか?
L reachは広告・SNS・SEOと併用できる送客サービスです。チャネルの隙間を埋め、月内の面談数を底上げします。
相談前に整理できること
- チャネル別の不足を整理
- 今月の面談数を補完
- 送客併用の可否を確認
まとめ|まずやるべき3つのこと
SEOは、すぐに結果が出ない代わりに、記事を育て続ける限り効き続ける集客手段です。立ち上げ期に最初にやるべき3つを整理します。
- 読者像・目標・テーマの柱を先に決める:月100面談のような目標は自社の求人数や対応力に合わせて置き、そこから必要な訪問数と記事の構成を逆算する。
- 技術面の確認を公開前に済ませる:表示速度、スマートフォン対応、インデックスの状態は、公開後に直すと手間が増える。
- SEOが育つまでの面談数を確保する仕組みを持つ:SEOの効果が出るまでの間、リスティング広告・SNS広告・送客サービスで面談数を保つ。
SEOを、すぐに効くリスティング広告、中長期のオウンドメディア、面談の実施分だけ支払う送客サービスと組み合わせて位置づけると、面談数の波を抑えやすくなります。関連する記事の一覧は人材紹介の集客完全ガイドです。あわせて、人材紹介のナーチャリング、人材紹介LP制作の5つのコツ、人材紹介のSNS集客総合ガイド、業界別人材紹介の集客戦略も参考になります。
L reach編集部
人材紹介事業ナレッジ編集チームforesma株式会社が運営する求職者送客サービス『L reach』編集部。人材紹介会社の支援実績をもとに、集客・CV・運用ノウハウを発信しています。
一つのチャネルに頼りすぎないよう、面談が足りない月だけ送客サービスで補う使い方もできます。
初期費用・月額費用なし/契約期間の縛りなし



